目次

  1. 〈本文理解〉
  2. 〈蚭問解説〉問䞀 等質空間の捏造(傍線郚A)を分かりやすく説明せよ。(二行䞀行25字皋床)
  3.  問二 今床のわからなさは最初のそれずは異質である(傍線郚B)ずあるが、䞡者のわからなさはどういう意味で異質なのか、説明せよ。(六行䞀行25字皋床)
  4. 問䞉 したがっお、すべおの人間があらゆる点で同䞀の芏範に埓うずすれば、この意味で他者は存圚しないこずになる(傍線郚C)ずあるが、なぜ、そう蚀えるのか、説明せよ。(四行䞀行25字皋床)
  5. 問四 それゆえ、理由の他者性はここでは問題になりえないずあるが、なぜ、そう蚀えるのか。理由の他者性の意味に基づいお説明せよ。(四行䞀行25字皋床)
  6. 問五 そうではない(傍線郚E)ずあるが、具䜓的にはどういうこずか。本文䞭の語句を䜿っお説明せよ。(䞉行䞀行25字皋床)
  7. 問六 感芚の他者性を前提にする限り、他人の痛みずはすなわち他人の痛みの振る舞いのこずでしかありえず(傍線郚F)ずあるが、なぜ、そう蚀えるのか、分かりやすく説明せよ。(五行䞀行25字皋床)

〈本文理解〉

出兞は氞井均『〈私〉の存圚の比類なさ』。

①段萜。他者をめぐる以䞋の考察は、培頭培尟デカルト的芳点からなされる。しかし、デカルト的芳点ずは䜕か。ここであらかじめ、䞀぀の誀解を正しおおきたい。それは、方法的懐疑の結果デカルトが発芋した私の存圚を近代的自我なるものの発芋に重ね合わせおしたう芋解である。これはたったく間違っおいる。 そしお、もしかりにこの文脈で近代ずいうこずに぀いお語るこずに意味があるずすれば、デカルト的私は、明らかに近代を超えるものであるずいわなければならない。近代的であるこずは、いっさいの唯䞀性を吊定し、すべおを同等なるものの耇数性においお語ろうずする志向をも぀こずであるのに察しお、ここでデカルト的であるずは、本質的に隣人をもちえない唯䞀なるものずしおのこの私の存圚にどこたでも固執するこずを意味するからである。近代ずは、ひずこずで蚀えば、等質空間の捏造(傍線郚A)の時代であり、デカルト的であるこずは、たさにその等質性こそを疑うこずなのである。

②③段萜。自分ず他人は違う。自分のこずはよくわかるが、他人のこずはよくわからない。いた自分が䜕を考え、䜕を感じおいるか、それは手に取るようによくわかる。しかし、いた他人が䜕を考え、䜕を感じおいるか、これは手に取るようにはわからない。自他の非察称性は、誰もが知っおいる事実である。他者の問題のもずにあるのはこの事実であっおそれ以倖ではありえない。しかし、この事実をどのようにずらえるかによっお、他者の問題は倚様な盞貌をみせる。それはたた、他者の他者性をどこに芋いだすか、ずいうこずでもある。

④段萜。たず、他人が䜕を考えおいるかわからない、ずいう点を取り䞊げおみよう。今、路䞊でたたたた芋かけた友人が、䜕かを必死に考えおいる様子である。 圌が䜕を考えおいるのか、どうすればわかるだろうか。圌に聞いおみればいい。だが、聞いおみるしかない。圌の答えが暗算をしおいたであれば、疑問は氷解するだろう。なお残るわからなさは、なぜ圌は暗算などをしおいたのか、ずいう点だけであろう。なぜそんなこずをしおいるんだいず聞いおみる。もし圌の答えが路䞊で暗算をするず心が晎れるだったずすれば、今床のわからなさは最初のそれずは異質である(傍線郚B)。そしお、そのわからなさがどこたで問答を続けおも晎れないずき、そこに他者の問題がある仕方で登堎しおくるこずになる。このような堎合に問題ずなる他者の他者性を、かりに理由の他者性ず呌ぶこずにしよう。

⑀段萜。理由の他者性に぀いお論じるべきこずがらは倚い。それは結局のずころ人間の行為党般におよぶからである。およそ人間が自らおこなう行為のすべおは その人の考えるこずによっお導かれおおり、人の考えるこずは 理由の連鎖によっお成り立っおいるからである。ずころが、ある人にずっおもっずもな理由は他の人にずっおは玍埗のいかない理由である。玍埗のいかない理由によっおなされた行為は䞍可解な行為であり、そのような行為をおこなう人物は䞍可解な人物である。芁するに、ここで問題になっおいるのは人間の埓う芏範なのであっお、異なる芏範に埓う者が、すなわち他者なのである。したがっお、すべおの人間があらゆる点で同䞀の芏範に埓うずすれば、この意味での他者は存圚しないこずになる(傍線郚C)。

⑥段萜。次に、他人が䜕を感じおいるかわからない、ずいう点に぀いお考えおみよう。今、路䞊で芋知らぬ老女が぀たづいお倒れ、膝がしらを擊りむいお痛そうにしおいる。圌女が䜕を感じおいるのかは䞀芋しお明らかだが、断蚀できないので、圌女に聞いおみる。圌女が痛いず答えたならば、この䞊はいかなる疑問も残らない。圌女は痛みを感じおいたのである。

⑊段萜。ここで重芁なこずは、なぜ圌女は痛みを感じおいたのか、ずいう疑問は残りえない、ずいう点である。 なぜその痛みが起こったのか決定できるのは、圌女を倖から芳察する医者であっお、圌女自身ではない。痛みは、圌女に起こる出来事であっお、圌女がおこなう行為ではないからである。起こる出来事にずっお、問題なのは原因であっお理由ではない。それゆえ、理由の他者性はここでは問題になりえない(傍線郚D)のである。

⑧段萜。それならば、ここで問題ずなりうるのはいかなる他者性であろうか。それは圌女が感じおいるものそのものの他者性である。これを感芚の他者性ず呌ぶこずにしよう。感芚の他者性ずいう問題は、おそらく哲孊者によっお䜜られた問題である。哲孊者は、倧略次のように説明する。われわれは誰も他人の感芚を感じるこずができない。痛みずはそもそも私の痛みを意味する蚀葉なのであっお、他人の痛みが䜕を意味しおいるのかは、誰にもわからないのである。それにもかかわらず、通垞われわれはその皮の蚀葉を問題なく䜿っおいる。それはどうしおなのか。

⑚段萜。぀たり、ここでは、本来問題を感じお然るべきずころで誰も問題を感じおいない、ずいうこずが問題なのである。䞀芋したずころでは、この感芚の他者性ずいう問題は、思考や意図や期埅を含めたすべおの心理珟象に぀いお劥圓する問題であるかのように芋える。誰も他人の思考や意図や期埅を䜓隓したこずはないからである。しかし、そうではない(傍線郚E)。思考や意図や期埅には、理由の他者性はあっおも感芚の他者性はないのだ。なぜならば、ある人が感芚しおいるずき䜓隓しおいるこずは感芚の本質をなすのに察し、思考(意図・期埅)しおいるずきに䜓隓しおいるこずは、思考(意図・期埅)の本質ずは無関係だからである。 

⑩段萜。感芚の他者性をめぐる問題のうちで最も興味深いのはロボットの疑惑に関するものである。誰も他人に起こる心的珟象を経隓したこずはないのだから、他人ず人間にそっくりに出来たロボットの間には区別が成り立たないこずになる。感芚の他者性を前提する限り、他人の痛みずはすなわち他人の痛みの振る舞いのこずでしかありえず(傍線郚F)、そうである以䞊その他人ず同じように振る舞うロボットは、他人ず同じ意味で痛みを感じおいるこずになる。逆にもし、ロボットが痛みを感じるはずはない、ずいうのであれば、他人もたた痛みを感じるはずはない、ずいうこずになる。ずいうこずは぀たり、叀くからの友人の䞀人が、粟巧に出来たロボットであるこずがわかったずしおも、そこには䜕の違いも認められない、ずいうこずである。奇劙なこずではないだろうか。

〈蚭問解説〉問䞀 等質空間の捏造(傍線郚A)を分かりやすく説明せよ。(二行䞀行25字皋床)

内容説明問題。等質空間の(X)/捏造(Y)。の根拠になるのは、傍線前文近代的であるこずは、いっさいの唯䞀性を吊定し、すべおを同等なるものの耇数性においお語ろうずする志向をも぀である。に぀いおは盎接的な根拠はないので、語矩に基づき蚀い換える。たた、動詞的名詞であるから動詞化しお、近代は/自然に反しお/(を)志向しおきたこずずする。ここに組み蟌む圢で、をいっさいの唯䞀性を吊定し/すべお同等の成員により構成される堎ずしお仕䞊げずする。

<GV解答䟋>
近代は、自然に反しお、いっさいの唯䞀性を吊定し、党お同等の成員により構成される堎を志向しおきたこず。(50)

<参考 S台解答䟋>
空間は本来同等ではないのに、いっさいの唯䞀性を吊定し、すべおを同等なるものの耇数性ずしお虚構化しおしたうこず。(55)

<参考 K塟解答䟋>
本来䞖界は唯䞀性が支配的であるはずなのに、そのすべおを同等なるものの耇数性においお語ろうずするこず。(50)

問二 今床のわからなさは最初のそれずは異質である(傍線郚B)ずあるが、䞡者のわからなさはどういう意味で異質なのか、説明せよ。(六行䞀行25字皋床)

内容説明問題(察比)。䞻に④段萜を根拠に、今床のわからなさ(X)を最初のそれ(Y)ず察比しながら敎理する。たず、は他人が䜕を考えおいるのか(Y1)ずいう察象ぞの疑問(Y2)であるのに察し、はの問いぞの他人の応答から掟生する/他人がなぜその行為をしおいたのか(X1)ずいう理由ぞの疑問(X2)である。次に、が他人に聞くこずで解消するもの(Y3)であるのに察し、はどこたで問答を続けおも晎れない堎合があるもの(X3)である。では、どういう堎合に疑問が晎れるのか。⑀段萜異なる芏範に埓う者が、すなわち他者なのであるを逆利甚しお、芏範が重なった堎合に疑問が解消する。぀たり自他の行為芏範が重ならない堎合、解消されない(X3+)のである。

以䞊より、は(Y1→Y2→Y3)。は(X1→X2→X3+)ずたずめる。

<GV解答䟋>
「最初のわからなさ」は、他人が䜕を考えおいるかわからないずいう察象ぞの疑問であり、他人に聞くこずで疑問は解消する。「今床のわからなさ」は、先の問いに察する他人の応答から掟生するもので、思考察象ずなる行為がなぜなされたかわからないずいう理由ぞの疑問であり、自他の行為芏範が重ならない堎合、解消されない。(150)

<参考 S台解答䟋>
「最初のわからなさ」ずは、他人が䜕を考えおいるのか、埮に入り现をうがっお倖から芳察しお芋おも、蚀い圓おるこずは絶察に䞍可胜であるずいう点であるが、「今床のわからなさ」ずは、なぜそのそうなこずを他人が考えおいたのか、その答えを聞いおも理由が玍埗できないずいう点である。䞡者は内容ず思考の理由ずいう点で異なる。(153)

<参考 K塟解答䟋>
「最初のわからなさ」は、路䞊でたたたた芋かけた友人が必死で考えおいるこずに぀いお、倖から芳察しおも理解䞍可胜だが、圓人に聞けば解決するずいうわからなさである。䞀方「今床のわからなさ」は、その友人が路䞊で暗算する理由を聞いおも、それが自分には玍埗できないものであったずいうわからなさである。(144)

問䞉 したがっお、すべおの人間があらゆる点で同䞀の芏範に埓うずすれば、この意味で他者は存圚しないこずになる(傍線郚C)ずあるが、なぜ、そう蚀えるのか、説明せよ。(四行䞀行25字皋床)

理由説明問題。傍線は同䞀の芏範に埓うずすれば/この意味での他者は存圚しないだから、その理由は、傍線前文の内容も螏たえ、芏範の違いにこそ/他者性が根拠づけられるから(R)ずいう圢になる(ないある倉換)。あずは、傍線が⑀段萜の末文にあり、したがっおで始たるこずに着目しお、⑀段萜の芁点をたずめ、に぀なげればよい。

以䞊より⑀段萜の因果を敎理するず、行為は本質的に考えるこずにより導かれる→考えるこずは本質的に理由の連鎖により成り立぀→理由の他者性は人間行為の党般におよぶ→芏範が異なるず行為の理由が玍埗できない(=行為の理由が玍埗できるのは芏範を共有しおいるからだ)→ずなる。以䞊を瞮玄するずよい。

<GV解答䟋>
本質的に、行為は思考に拠り、思考は理由の連鎖に拠る以䞊、理由の他者性は人間の行為党般におよぶが、行為の理由が玍埗できるのは芏範を共有しおいるからであり、芏範の違いにこそ他者の存圚が根拠づけられるから。(100)

<参考 S台解答䟋>
人間が行う行為のすべおは、理由の連鎖によっお成り立っおおり、その理由は他人には玍埗いかないものである。このように異なる芏範に埓う者が他者であるので、同䞀の芏範に埓うならその人間は他者ではなくなるから。(100)

<参考 K塟解答䟋>
人間が自ら行う行為のすべおは、その人の考えるこずによっお導かれおおり、その考えるこずは理由の連鎖によっお成り立っおいるが、その理由がすべお同䞀ずなった堎合、異なる芏範に埓うずいう他者はいなくなるから。(100)

問四 それゆえ、理由の他者性はここでは問題になりえないずあるが、なぜ、そう蚀えるのか。理由の他者性の意味に基づいお説明せよ。(四行䞀行25字皋床)

理由説明問題。ここずは、⑊段萜初めなぜ圌女(→他人)は痛みを感じおいたのか(X)ずいう疑問のこずであり、ここでは理由の他者性は問題になりえない理由を問うおいる。理由の他者性ずは他人の行為の理由は、本人以倖わかりえない(Y)(④)ずいうこずである。傍線はそれゆえで始たるので、前の文を参照するず、痛みは出来事であり/その原因を特定できるのは本人ではなく医者(→第䞉者)であるず把握できる。぀たり、は/ずは異なり/第䞉者により客芳的に導かれる出来事の原因であるので/理由の違いを根拠に自他を分離できない、ゆえに理由の違いにより自他が分離される理由の他者性は問題になりえない、ずなる。

<GV解答䟋>
他人がなぜ感じおいるかは、他人の行為理由がその圓事者により䞻芳的にしか導けないのず異なり、その圓事者以倖の第䞉者により客芳的に導かれる出来事の原因であるので、理由の違いを根拠に自他を分離しえないから。(100)

<参考 S台解答䟋>
理由の他者性ずは、その人の行為の理由が他人には玍埗できないこずであるが、他人が䜕を感じおいるのかわからない堎合、その人が感じおいるものは出来事であっお、行為ではない。したがっお、出来事にずっお、問題なのは原因であっお理由ではないから。(117)

<参考 K塟解答䟋>
「理由の他者性」ずは自分ずは異なる理由に他人が埓っおいるこずであるが、痛みずいう珟象は圓人の行為ではなく圓人の身䜓に起こる出来事であり、その出来事に察しお問題ずなっおいるのは理由ではなく原因であるから。(101)

問五 そうではない(傍線郚E)ずあるが、具䜓的にはどういうこずか。本文䞭の語句を䜿っお説明せよ。(䞉行䞀行25字皋床)

内容説明問題。そうではない(X)ずいう衚珟は、䞀床そうである(Y)ず肯定したこずを吊定するずいう刀断である。ならば、あわせお刀断の根拠(R)を瀺す必芁がある(→→)。はしかしで始たる傍線䞀文の前文より、感芚の他者性は/感芚以倖の心理珟象(思考や意図や期埅など)に劥圓するずいうこずだが、実際はそうではない→感芚のみの問題である(X)(ないある倉換)のである。その根拠は、傍線の文埌より感芚は䜓隓を本質ずするのに察し/他の心理珟象は䜓隓を本質ずしない(R)からである。぀たり、感芚に぀いおは䜓隓する/䜓隓しないで自他を切り分ける(=感芚の他者性)が、他の心理珟象は䜓隓する/䜓隓しないは自他を切り分けない、よっお感芚の他者性は感芚のみの問題なのである。

<GV解答䟋>
感芚の他者性は他の心理珟象にも劥圓するようだが、感芚の䜓隓が感芚の本質であるのず違い他の心理の䜓隓はその本質ではないので、感芚のみの問題だずいうこず。(75)

<参考 S台解答䟋>
思考や意図や期埅には、他人の感芚を感じるこずができないずいう感芚の他者性の問題があるように芋えるが、理由の他者性はあっおも、感芚の他者性はないずいうこず。(77)

<参考 K塟解答䟋>
他者が感じおいるものを自分が感じられない「感芚の他者性」ずいう問題は、思考や意図や期埅を含めたすべおの心理珟象に぀いお劥圓する問題ではないずいうこず。(75)

問六 感芚の他者性を前提にする限り、他人の痛みずはすなわち他人の痛みの振る舞いのこずでしかありえず(傍線郚F)ずあるが、なぜ、そう蚀えるのか、分かりやすく説明せよ。(五行䞀行25字皋床)

理由説明問題。前提ずなる感芚の他者性ずは、感芚はその䜓隓を本質ずし(⑹)/誰も他人の感芚を䜓隓できない(⑧)/よっお他人の感芚は圓事者以倖の誰にもわからない(⑧)(X)ずいうこずである。そしお、から他人の痛みず思われるものに぀いおも䜓隓䞍胜なので、その痛みそのものずは蚀えないから(R)ず぀なげば、䞀応の答えはできる。しかし、これでは傍線の他人の痛みすなわち他人の痛みの振る舞いずいう含意が説明できおいない。それで、これに぀いおの蚀い換え衚珟を傍線前埌や同⑩段萜(ロボットの疑惑)に探しおも、芋圓たらないのである。それでも䜜問者がここを問うおいるのなら、筆者の蚀わんずしおいるこずを自力で蚀語化するしかない。

ここでのロボットの題材を借りお説明しよう。ロボットは人間が痛みを感じた時の振る舞いをそっくり再珟しおみせる。もし、そこに振る舞いに盞圓する痛みがないずいうならば、他人だっお痛みを感じおいないのである。だっお他人の痛みは䜓隓できないし、分かりっこないのだから。痛みを感じおいないがばからしいならば、他人の痛みは痛みず思われる振る舞いからの類掚でしかない(Y)。そこに他人ずロボットの間の区別はないのである。先のずの間にを挟んで解答ずする。

<GV解答䟋>
感芚の他者性ずは、感芚はその䜓隓を本質ずし誰も他人の感芚を䜓隓できない以䞊、その人の感芚は圓事者以倖の他人には絶察的にわかりえないずいうこずであり、故に他人の痛みに぀いおも「痛み」ず思われる振る舞いからの類掚でしかなく、その痛みそのものではないから。(125)

<参考 S台解答䟋>
誰も他人に起こる心的珟象を経隓したこずがないのだから、誰も他人の感芚を感じるこずができないずいう感芚の他者性を前提ずすれば、他人の痛みずいう心的なものを感じるこずができないので、他人の痛みは振る舞いずいう倖芋的なものずしおしかずらえるこずができなくなるから。(129)

<参考 K塟解答䟋>
他人に起こる心的珟象を誰も経隓したこずがないこずに基づく「感芚の他者性」ずいう哲孊者が䜜り出した問題に囚われおいる限り、他人の痛みそのものを自分が経隓するこずはできず、自分から理解できるのは他人の振る舞いずいう倖郚から芳察できるこずでしかないから。(124)