目次
- 〈本文理解〉
- 問一「いずれの説が正しかったのだろうか」(傍線部A)という問いに対して筆者はどのように答えているか。本文中から70字以内で抜き出して答えよ。
- 問二「文明の内なる衝突」(傍線部B)の具体例を25字以内で挙げよ。
- 問三「『イスラーム国』という現象は、旧来の世界史記述にあるような帝国や国家の盛衰とは、メカニズムを異にする」(傍線部C)とあるが、いかなる点において異なるのか。40字以内で説明せよ。
- 問四「同様の事象は、条件が変わらなければ、今後常に起こりうる」(傍線部D)とあるが、この条件とは何か。30字以内で述べよ。
- 問五「まだら状の秩序」(波線部)とはどのようなものか。本文全体を踏まえて80字以内で説明せよ。
〈本文理解〉
出典は池内恵「すばらしい『まだら状』の新世界」
問一「いずれの説が正しかったのだろうか」(傍線部A)という問いに対して筆者はどのように答えているか。本文中から70字以内で抜き出して答えよ。
〈解〉
歴史は自由主義と民主主義の勝利で終わったわけでもなく、まとまりをもった巨大文明圏が複数立ち上がって世界を分かつこともなさそうである。(66)
問二「文明の内なる衝突」(傍線部B)の具体例を25字以内で挙げよ。
〈GV解答例1〉
イスラーム諸国の軍事政権とイスラーム過激派の内戦。(25)
〈GV解答例2〉
自由主義陣営の中国やロシアの台頭に伴う分断の様相。(25)
〈参考 S台解答例〉
イスラーム諸国間における宗派間の分断と対立。(22)
〈参考 K塾解答例〉
イスラーム諸国間や欧米世界における不和と分断。(23)
〈参考 Yゼミ解答例〉
イスラム文化内で過激派と穏健派が対立していること。(25)
問三「『イスラーム国』という現象は、旧来の世界史記述にあるような帝国や国家の盛衰とは、メカニズムを異にする」(傍線部C)とあるが、いかなる点において異なるのか。40字以内で説明せよ。
〈GV解答例〉
地理的な連続性と一体性に囚われず、まだら状に分散した主体が結合し勢力を強める点。(40)
〈参考 S台解答例〉
地理的な連続性と一体性に囚われず、分散した主体が各地で同調し支配領域を広げる点。(40)
〈参考 K塾解答例〉
中央組織がなく地理的な連続性と一体性に囚われず、分散した運動の主体が結合する点。(40)
〈参考 Yゼミ解答例〉
共通の理念への同調者が各地に点在し、同一の方向性をもって運動し勢力拡大を図る点。(40)
問四「同様の事象は、条件が変わらなければ、今後常に起こりうる」(傍線部D)とあるが、この条件とは何か。30字以内で述べよ。
〈GV解答例〉
広域を覆う共通の規範体系と情報通信の普及を伴うグローバル化。(30)
〈参考 S台解答例〉
グローバル化による移動の自由の拡大と情報通信技術の普及。(28)
〈参考 K塾解答例〉
共通の規範体系と、グローバル化や情報通信手段の普及との結合。(30)
〈参考 Yゼミ解答例〉
情報通信技術が普及したグローバル社会で理念を広められること。(30)
問五「まだら状の秩序」(波線部)とはどのようなものか。本文全体を踏まえて80字以内で説明せよ。
〈GV解答例〉
国家群や国家内においてイデオロギーによる分断が進み、権威主義やポピュリズムが横行する中、寄る辺ない個がグローバルな情報通信を手がかりに国家を超え結合しうる状態。(80)
〈参考 S台解答例〉
中央組織を持たずに特定の理念に同調する小集団が世界各地に散在し、自由主義や民主主義、文明内部に亀裂を招いて個人の内部にも同様の状況をもたらす現在の世界構造。(78)
〈参考 K塾解答例〉
自由も強権も望む個人の複雑な心性と同様に、グローバル化と情報通信技術の普及を通じて種々のイデオロギーが、明確な境界を失った世界に様々な分断をもたらすメカニズム。(80)
〈参考 Yゼミ解答例〉
地理的に一体の社会を複数のイデオロギーが分断し、情報通信技術とグローバル化がその理念に基づき各地に分散した人々を結びつけることで、既存の秩序を脅かす状態。(77)