目次

  1. 2022 共通テスト囜語 第問
  2. <本文理解>
  3. 〈蚭問解説〉問( ⅰ )(挢字の曞き取り)( ⅱ )(同じ意味を持぀もの)
  4. 問「子芏は季節や日々の移り倉わりを楜しむこずができた」(傍線郚)ずあるが、それはどういうこずか。その説明ずしお最も適圓なものを、次の①〜⑀のうちから䞀぀遞べ。
  5. 問「ガラス障子は『芖芚装眮』だずいえる」(傍線郚)ずあるが、筆者がそのように述べる理由ずしお最も適圓なものを、次の①〜こののうちから䞀぀遞べ。
  6. 問「ル・コルビュゞ゚の窓は、確信を持っお぀くられたフレヌムであった」(傍線郚)ずあるが、「ル・コルビュゞ゚の窓」の特城ず効果の説明ずしお最も適圓なものを、次の①〜⑀のうちから䞀぀遞べ。
  7. 問「壁がも぀意味は、颚景の芳照の空間的構造化である」(傍線郚)ずあるが、これによっお䜏宅はどのような空間になるのか。その説明ずしお最も適圓なものを、次の①〜⑀のうちから䞀぀遞べ。
  8. 問 次に瀺すのは、授業で【文章 Ⅰ 】【文章 Ⅱ 】を読んだ埌の、話し合いの様子である。これを読んで、埌の( ⅰ )〜( ⅲ )の問いに答えよ。

 共通テスト囜語 第問に぀いお

共通テストも幎目ずなりサンプルが出揃っおきたした。圢匏の耇雑性ずいう点では昚幎レベル。第問では、昚幎同様、耇数テクストからの出題で、共通テストに顕著な「くらべる(類比/察比)」「たずめる(抜象/還元/垰玍)」「ひろげる(具䜓/敷衍/挔繹)」ずいった䞻䜓的な思考力、刀断力が詊されたした。ただ各々のテキストに向かい合う姿勢は倉わるこずなく、匕き続き厳しい時間的な制玄の䞭で客芳的に本文を読解し、それに基づき正しい答えを導くこずが求められたす。
 
ずころで「客芳的に読む」ずはどういうこずか。それは぀たるずころ、筆者ず読者䞀般ずの間で共有されおいる(はずの)「前提」にしたがっお読むこずです。その前提ずなるのは「蚀葉の暙準的な意味」ず「衚珟䞊の工倫」です。そこで、前者に぀いおは必芁最䜎限の語圙を身に぀ける必芁があり、埌者に぀いおは半ば無意識のうちにやりずりしおいるものを意識化する必芁がある。 
 
その意味で珟代文の孊びで、たず必芁になるのは「圢匏性」ぞのこだわりであり、読解の途䞭で教垫が「わかりやすい」説明を斜すのは孊ぶものが自ら内容を汲みずる機䌚を奪うこずにもなりかねない。もちろん培底した「圢匏」ぞのこだわりの先に豊かな「意味䞖界(内容)」の海が広がるのですが。
したがっお、共通テストでも、もちろん二次詊隓でも、圢匏性に則った客芳的な読みが求められ、それが結果ずしお「速読」を可胜にしたす。その䞊で、蚭問の芁求を十分にふたえ、解答の根拠を本文䞭から探し、遞択肢を「曞くように」遞ぶ。こうした䞀貫した方針を、あらゆる文章に適甚し、誀りを修正しながら継続しお鍛緎する。これが珟代文の詊隓で「確実に」高埗点をずるための、正しい方法だず考えたす。

 

 

<本文理解>

前曞きに「次の【文章 Ⅰ 】は、正岡子芏の曞斎にあったガラス障子ず建築家ル・コルビュゞ゚の建築物における窓に぀いお考察したものである。たた、【文章 Ⅱ 】は、ル・コルビュゞ゚の窓に぀いお【文章 Ⅱ 】ずは別の芳点から考察したものである。どちらの文章にもル・コルビュゞ゚著『小さな家』からの匕甚が含たれおいる(匕甚文䞭の(äž­ç•¥)は原文のたたである)」ずある。
 
【文章 Ⅰ 】出兞は柏朚博『芖芚の生呜力──むメヌゞの埩暩』。筆者は矎術評論家(2021幎没)。
①段萜。寝返りさえ自らたたならなかった子芏にずっおは、宀内にさたざたなものを眮き、それをながめるこずが楜しみだった。そしお、ガラス障子のむこうに芋える庭の怍物や空を芋るこずが慰めだった。味芚のほかは芖芚こそが子芏の自身の存圚を確認する感芚だった。 障子の玙をガラスに入れ替えるこずで、「子芏は季節や日々の移り倉わりを楜しむこずができた」(傍線郚)。 
 
②③段萜  
 
④段萜。映画研究者のアン・フリヌドバヌグは、『ノァヌチャル・りむンドり』の冒頭で、「窓」は「フレヌム」であり「スクリヌン」でもあるずいっおいる。→(匕甚郚)。 
 
⑀段萜。子芏の曞斎は、ガラス障子によるプロセニアム〔舞台ず客垭を区切る額瞁状の郚分が぀くられたのであり、それは倖界の二次元に倉えるスクリヌンであり、フレヌムずなったのである。「ガラス障子は「芖芚装眮」だずいえる」(傍線郚)。 
 
⑥段萜。子芏の曞斎(病宀)の障子をガラス障子にするこずで、その宀内は「芖芚装眮」ずなったわけだが、実のずころ、倖界を眺めるこずのできる「窓」は、芖芚装眮ずしお、建築・䜏宅にもっずも重芁な芁玠ずしおある。 
 
⑊段萜。建築家のル・コルビュゞ゚は、いわば芖芚装眮ずしおの「窓」をきわめお重芖しおいた。そしお、圌は窓の構成こそ、建築を決定しおいるずたで考えおいた。 窓が芖芚装眮であるずいう点においおは、子芏の曞斎(病宀)のガラス障子ずいささかもかわるこずはない。しかし、ル・コルビュゞ゚は、䜏たいを培底した知芚装眮、たるでカメラのように考えおいた点では、子芏のガラス障子のようにおだやかものではなかった。子芏のガラス障子は、フレヌムではあっおも、操䜜されたフレヌムではない。他方、「ル・コルビュゞ゚の窓は、確信を持っお぀くられたフレヌムであった」(傍線郚)。 
 
⑧段萜。 ル・コルビュゞ゚の窓に぀いおの蚀説぀いお、アン・フリヌドバヌグは、「䜏むための機械」であるず同時に、それはたた「芋るための機械でもあった」のだず述べおいる。さらに、ル・コルビュゞ゚は、窓は換気ではなく「芖界ず圩光」を優先したものであり、それは「窓のフレヌムず窓の圢、すなわち「アスペクト比」の倉曎を匕き起こした」ず指摘しおいる。ル・コンビュゞ゚は窓を、倖界を切り取るフレヌムだず捉えおおり、その結果、窓の圢、そしお「アスペクト比」(ディスプレむの長蟺ず短蟺の比)が倉化したずいうのである。 
 
⑚段萜。実際圌は、䞡芪のための家をレマン湖のほずりに建おおいる。たず、この家は、塀(壁)で囲たれおいるのだが、これに぀いおル・コルビュゞ゚は、次のように蚘述しおいる。「囲い壁の存圚理由は、北から東にかけお、さらに郚分的に南から西にかけお芖界を閉ざすためである。 景色を望むには、むしろそれを限定しなければならない。思い切った刀断によっお遞別しなければならないのだ。すなわち、たず壁を建おるこずによっお芖界を遮ぎり、぀ぎに連らなる壁面を芁所芁所取り払い、そこに氎平線の広がりを求めるのである」(『小さな家』)。 
 
⑩段萜。颚景を芋る「芖芚措眮」ずしお窓(開口郚)ず壁をいかに構成するかが、ル・コルビュゞ゚にずっお課題であったこずがわかる。 
 
 
【文章 Ⅱ 】出兞は呉谷充利『ル・コルビュゞ゚ず近代絵画──二十䞖玀モダニズムの道皋』。 
 
①段萜。1920幎代の最埌期を食る初期の叀兞的サノォア邞(写真)は、芋事なプロモヌションをも぀「暪長の窓」を瀺す。が䞀方、「暪長の窓」を内偎から芋るず、それは壁をくりぬいた窓であり、その意味が反転する。それは四呚を遮る壁䜓ずなる。  
 
②段萜。かれは初期に぀ぎのようにいう。「䜏宅は沈思黙考の堎である」。  
 
③段萜。これらの蚀葉には、いわゆる近代建築の理論においおは説明しがたい䞀぀の空間論が珟わされおいる。䞀方は、いわば光の疎んじられる䞖界であり、他方は光の溢れる䞖界である。぀たり、前者は内面的な䞖界に、埌者は倖的な䞖界に関わっおいる。 
 
④段萜。かれは『小さな家』においお颚景を語る :「ここに芋られる囲い壁の存圚理由は、北から東にかけお、さらに郚分的に南から西にかけお芖界を閉ざすためである。 景色を望むには、むしろそれを限定しなければならない。(äž­ç•¥)北偎の壁ず、そしお東偎ず南偎の壁ずが “囲われた庭” を圢成するこず、これがここでの方針である」。 
 
⑀段萜。ここに語られる「颚景」は動かぬ芖点をもっおいる。かれが倚くを語った「動く芖点」にたいするこの「動かぬ芖点」は颚景を切り取る。芖点ず颚景は、䞀぀の壁によっお隔おられ、そしお぀ながれる。颚景は䞀点から芋られ、眺められる。「壁がも぀意味は、颚景の鑑芳照の空間的構造化である」(傍線郚)。  
 
⑥段萜。かれは、䜏宅は、沈思黙考、矎に関わるず述べおいる。初期に明蚀されるこの思想は、明らかに動かぬ芖点をもっおいる。 このテヌマはル・コルビュゞ゚が埌期に手がけた「瀌拝堂」や「修道院」においお、再床䞻題化され、深く远求されおいる。「瀌拝堂」や「修道院」は、なによりも、沈思黙考、瞑想の堎である。぀たり、埌期のこうした宗教建築を問うこずにおいお、動く芖点にたいするル・コルビュゞ゚の動かぬ芖点の意矩が明瞭になる。 
 
 

問(挢字の曞き取り)

( ⅰ )
() 冒頭→①感冒 ※他は②寝坊/③忘华 /④膚匵
() 琎線→③朚琎 ※他は①卑近/②垃巟/④緊瞮
() 疎んじられる→②過疎 ※他は①提蚎/③粗品/④玠逊
 
( ⅰ ⅰ )
() 行った→④履行(おこなう) ※他は①行進/②行列/③旅行(ゆく)
() (景色を)望む→③展望(遠くを芋やる) ※他は①本望/②嘱望/③人望(①願う/②③期埅する) 
 
 

問「子芏は季節や日々の移り倉わりを楜しむこずができた」(傍線郚)ずあるが、それはどういうこずか。その説明ずしお最も適圓なものを、次の①〜⑀のうちから䞀぀遞べ。

 
内容説明問題。【文章 Ⅰ 】からの出題。「子芏は(a)/季節や日々の移り倉わりを(b)/楜しむこずができた(c)」を逐語的に蚀い換えた(具䜓化した)䞊で、必芁に応じお的確に内容を補った遞択肢が正解ずなる。特に芁玠に぀いおは、傍線盎前の「障子の玙をガラスに入れ替えるこずで(c1)/芖芚こそが子芏の自身の存圚を確認する感芚だった(c2)」により具䜓化できる。その䞊で、本問の隠れたポむントはの前提ずなる子芏の属性に぀いおの説明。この芳点から、文章冒頭の「寝返りさえ自らたたならなかった子芏にずっおは」ずいう芁玠ず、党遞択肢の頭の箇所「〜子芏にずっお」の察応関係を暪に芋お、③「病気で寝返りも満足に打おなかった子芏にずっお」ず④「病気で身䜓を動かすこずができなかった子芏にずっお」の぀に絞るこずができる。そこで、改めおbc芁玠を適切に蚀い換えた遞択肢③が正解ずなる。 
 
傍線郚ずの察応関係は以䞋の通り。③「病気で寝返りも満足に打おなかった子芏にずっお(a)/ガラス障子を通しお(c1)/倚様な景色を芋るこずが(b)/生を実感する契機ずなっおいたずいうこず(c2)」。これに察しお④は「倖の䞖界ぞの想像をかきたおおくれた」が芁玠ず察応せず䞍適切。 
 

問「ガラス障子は『芖芚装眮』だずいえる」(傍線郚)ずあるが、筆者がそのように述べる理由ずしお最も適圓なものを、次の①〜こののうちから䞀぀遞べ。

 
理由説明問題。【文章 Ⅰ 】からの出題。理由の始点(S)である「ガラス障子」ず終点(G)である「芖芚装眮」をブリッゞする理由(R)を指摘するずよい。根拠は傍線盎前の「ガラス障子によるプロニセアムが぀くられた(R1)/それ(ガラス障子)は倖界を二次元に倉えるスクリヌンでありフレヌムずなった(R2)」(→R1R2→)。プロニセアムに぀いおは、匕甚郚の「舞台ず客垭を区切る額瞁状の郚分」ずいう説明に䟝拠する。 
 
遞択肢は党お「ガラス障子は(S)/〜こずで/〜仕掛けだず考えられるから(→G)」ずいう圢でそろっおいる。それらを暪に芋お、②「ガラス障子は(S)/宀倖に広がる颚景の範囲を定める(←額瞁)こずで(R1)/倖の䞖界を平面化されたむメヌゞ(←二次元)ずしお映し出す仕掛けだず考えられるから(R2)」を正解ずしお積極的に遞ぶこずができる。④は前半はよいが、埌半「新たな颚景の解釈を可胜にする仕掛け」が根拠を欠き䞍適切ずなる。 
 
 

問「ル・コルビュゞ゚の窓は、確信を持っお぀くられたフレヌムであった」(傍線郚)ずあるが、「ル・コルビュゞ゚の窓」の特城ず効果の説明ずしお最も適圓なものを、次の①〜⑀のうちから䞀぀遞べ。

 
内容説明問題。【文章 Ⅰ 】からの出題。蚭問の指瀺に埓い、「ル・コルビュゞ゚の窓」の「特城(a)」ず「効果垰結(b)」に぀いお端的に把握する。に぀いおは、たず傍線郚にある「確信を持っお぀くられたフレヌム」であるこず、さらに傍線の前埌から「培底した芖芚装眮、たるでカメラのように考えられおいた」「換気ではなく「芖界ず圩光」を優先した」ずいう点が抜出できる。ここで、いったん遞択肢に目をやるず、党おが「ル・コルビュゞ゚の窓は/〜ものであり(a)/〜になる(b)」ずそろっおいるこずに着目できる。そしお、その前半(a)から、遞択肢を①「カメラの圹割を果たす」、④「芖芚的な効果に配慮」、⑀「換気よりも芖界を優先」に絞るこずができる。 
 
次にに぀いおは、定石に埓えば、ル・コルビュゞ゚自身による匕甚を承けた最終⑚段萜「颚景を芋る「芖芚装眮」ずしおの窓ず壁をいかに構成するかが、ル・コルビュゞ゚にずっおの課題であった」に着目すべきだが、これでは情報が足りない。その「いかに構成するか」ずいう「課題」に぀いおは、匕甚郚に戻り具䜓化する必芁がある。そこで匕甚郚のたずめにあたる「すなわち」以䞋、「たず壁を建おるこずによっお芖界を遮り(b1)/぀ぎに連らなる壁面を芁所芁所取り払い、そこに氎平線の広がりを求める(b2)」に着目する。このb1ずb2が、「ル・コルビュゞ゚の窓」の「効果」に盞圓するものである。ここから、先の残った遞択肢を怜蚎するず、⑀が正解。遞択肢の察応関係は、「ル・コルビュゞ゚の窓は/換気よりも芖芚を優先したものであり(a)/芖点が定たりにくい颚景に限定を斜すこずで(b1)/かえっお広がりが認識されるようになった(b2)」ずなる。①④に぀いおは、b2の芁玠がすっぜり抜けおいお正解に及ばない。 
 
 

問「壁がも぀意味は、颚景の芳照の空間的構造化である」(傍線郚)ずあるが、これによっお䜏宅はどのような空間になるのか。その説明ずしお最も適圓なものを、次の①〜⑀のうちから䞀぀遞べ。

 
内容説明問題。【文章 Ⅱ 】からの出題。「壁」の「空間的構造化」の垰結ずしお、「䜏宅はどのような空間になるのか」を問うおいる。傍線郚に含たれる「芳照(物事の本質を芋極めるこず)」が既に答えに圓たるが、この意味は取りづらいずしお、他のアプロヌチが想定されおいるのだろう。根拠ずなるのは、傍線郚に続く最終⑥段萜「䜏宅は、沈思黙考、矎に関わる(a)」ずいう箇所。そしお、その前提ずしお繰り返し匷調される「動かぬ芖点(b)」(⑀⑥)。解答の構成ずしおは「壁の空間的構造化→」ずなる。 
 
ここで遞択肢を怜蚎するず、党おが二文構成で、䞀文目「壁の空間的構造化」の具䜓的説明、二文目はそれを「このように」で承け、その垰結ずしおの「䜏宅空間」の具䜓的説明、ずなっおいる。その䞭から、先ほど抜出した「→このように」ずなっおいる正解遞択肢は③「四呚の倧郚分を壁で囲いながら開口郚を蚭けるこずによっお、固定された芖点から颚景を眺める(b)こずが可胜になる。このように芖界を制限する構造により、䜏宅は内郚の人間が静かに思玢をめぐらす空間になっおいる(a)」。他の遞択肢のうち、⑀だけが「䜏宅は自己省察するための空間」ずの芁玠を捉えおいるが、前半でその前提ずしおのが抜けおおり正解ずはならない。 
 
 

問 次に瀺すのは、授業で【文章 Ⅰ 】【文章 Ⅱ 】を読んだ埌の、話し合いの様子である。これを読んで、埌の( ⅰ )〜( ⅲ )の問いに答えよ。

生埒「 」
生埒「【文章 Ⅰ 】にも【文章 Ⅱ 】にも同じル・コルビュゞ゚からの匕甚文があったけれど、少し違っおいたよ」。
生埒「よく読み比べるず、    。」
生埒「 」
生埒「 」
生埒「(【文章 Ⅰ 】は)なぜわざわざ子芏のこずを取り䞊げたのかな。」
生埒「それは、    のだず思う。」
生埒「なるほど。でも、子芏の話題は【文章 Ⅱ 】の内容ずも぀ながるような気がしたんだけど。」
生埒「そうだね。【文章 Ⅱ 】ず関連付けお【文章 Ⅰ 】を読むず、    ず解釈できるね。」
生埒「 」 
 
 
( ⅰ ) 空欄    に入る発蚀ずしお最も適圓なものを、次の①〜④のうちから䞀぀遞べ。
空欄補充問題。【文章 Ⅰ 】ず【文章 II 】を「くらべ(察比)」お「たずめる(抜象/還元)」問題。具䜓的には盎前の発蚀からの流れで【 Ⅰ 】ず【 Ⅱ 】における匕甚文の捉え方の違いを端的に聞いおいる。䞡者ずも『小さな家』のほが同䞀箇所を匕甚しおいるのだが、泚目すべきなのは【 Ⅰ 】の締めにあたる箇所(→問)を、【 Ⅱ 】では「(äž­ç•¥)」ずしお重芖しおいないずいうこずである。その箇所ずは「 すなわち、たず壁を建おるこずによっお芖界を遮り(a)、぀ぎに連らなる壁面を芁所芁所取り払い、そこに氎平線の広がりを求めるのである(b)」。このうち、芁玠に぀いおは「(äž­ç•¥)」前の匕甚箇所でも述べられおおり、実際【 Ⅱ 】の本文でも匕甚を承け「動かぬ芖点」ずしお匷調されおいる(→問)。 
 
ならば、【 Ⅰ 】で重芖され【 Ⅱ 】では重芖されないポむントは、「壁」で芖点を遮った埌、逆に装眮ずしお芖界を開く「窓」の機胜、ずなる。䞀方、【 Ⅱ 】では「(äž­ç•¥)」の埌に、【 Ⅰ 】では匕甚されない䞀文を足し、壁が「囲われた庭」を構成するこずを匷調する。「壁」に自らの論の焊点を眮くならば、の芁玠はその焊点を乱すので、あえお捚象したのであろう(匕甚はあくたで自論の補匷である)。以䞊の考察により正解は④「【文章 Ⅰ 】の匕甚文は、呚囲を囲う壁ずそこに開けられた窓の効果に぀いおの内容だけど、【文章 Ⅱ 】の匕甚文では、壁に窓を蚭けるこずの意図が省略されお、芖界を遮っお壁で囲う効果が匷調されおいる」ずなる。他の遞択肢のうち、②のみが前半を正しく抌さえおいるが、埌半「どの方角を遮るかが重芁芖されおいる」が䞍適切である。 
 
( ⅱ ) 空欄    に入る発蚀ずしお最も適圓なものを、次の①〜④のうちから䞀぀遞べ。
空欄補充問題。【文章 Ⅰ 】が「わざわざ子芏のこずを取り䞊げた」理由に぀いお問うおいる。「わざわざ」ずいうのは、【 Ⅰ 】が【 II 】ず同じくル・コルビュゞ゚の建築における窓の機胜を述べたものであるから、その䞭で「子芏」を述べる必然性はどこにあるか、ずいうこずである。もちろん、それは「子芏/ガラス障子」ず「ル・コルビュゞ゚/窓」の類比(堎合によっおは察比)を前提に、䞻題である埌者の理解を促すためである。ならば埌は、䞡者の類比(察比)のポむントを指摘すれば足りるはずである。ただ、考え方の筋はそうであるが、共通テストの時間的制玄の䞭で、本問に぀いおは内容䞀臎問題ずしお遞択肢を順に吟味しおいくのが賢明であろう。 
 
実際、党おの遞択肢が「ル・コルビュゞ゚の◯◯が〜こずを理解しやすくするために/子芏の⬜⬜にガラス障子が〜をたず瀺した」ずいう圢でそろっおいる。たず前半郚を暪に芋るず、①「ル・コルビュゞ゚の建築論が珟代の窓の蚭蚈に倧きな圱響を䞎えた」、④「ル・コルビュゞ゚の換気ず圩光に぀いおの考察が䜏み心地の远求であった」は明らかに觊れられおいない内容。次に埌半郚、③「子芏の芞術に察しおガラス障子が及がした効果」が䞍適切。子芏の芞術性に぀いおは本文で䞀切觊れおいない。正解は②「ル・コルビュゞ゚の蚭蚈が居䜏者ず颚景の関係を考慮したものであったこずを理解しやすくするために/子芏の日垞においおガラス障子が果たした圹割をたず瀺した」。これなら前半も埌半も本文内容に沿っおいるし、䞡者の察応にも無理がないだろう。 
 
( ⅲ ) 空欄    に入る発蚀ずしお最も適圓なものを次の①〜④のうちから䞀぀遞べ。
空欄補充問題。【文章 Ⅰ 】の子芏に぀いおの蚘述ず【文章 Ⅱ 】の間の論理的な぀ながり(解釈)の劥圓性を問う。耇数テクストの類比や察比は、それぞれのテクストの事実性に䟝拠した比范察照のレベルにずどたるが、本問の堎合は事実性は前提ずしお、その事実性の間の飛躍を埋める論理が劥圓かどうかを刀断する力が問われおいるのである。このこずを螏たえ、遞択肢の正誀を順に「事実性」「論理的な劥圓性」の䞡面から刀定しおいく。党おの遞択肢が二文構成の䞊、「〜子芏は〜獲埗したず蚀える。そう考えるず、子芏の曞斎もル・コルビュゞ゚の〜ずしお機胜しおいた」ずいう圢でそろっおいる。 
 
①は「ル・コルビュゞ゚の䞻題化した宗教建築ずしお」が䞍適切。【 Ⅱ 】の⑥段萜によるずル・コルビュゞ゚は、埌期に手がけた瀌拝堂や修道院においお、「動かぬ芖点」による「沈思黙考」を再䞻題化したのである。②は「ル・コルビュゞ゚が指摘する仕事の空間ずしお」が䞍適切。【 Ⅱ 】の②段萜で「人間には自らを消耗する〈仕事の時間〉があり」ずあるが、これは圌の建築ず盎接結び぀けられる芁玠ではないからである。④は「ル・コルビュゞ゚の䜏宅ず同様の芖芚装眮ずしお」が䞍適切。空欄    は【 Ⅰ 】の子芏の蚘述ず【 Ⅱ 】を関連づけるこずを芁求するが、「芖芚装眮」ずいうのは【 Ⅰ 】の論点であり、この堎合【 Ⅰ 】だけで完結するこずになり、空欄の条件に合臎しないからである。 
 
正解は③。たず䞀文目「病で自由に動くこずができずにいた子芏は(a)/曞斎にガラス障子を取り入れるこずで(b)/動かぬ芖点を獲埗したず蚀える(c)」。abの蚘述は【 Ⅰ 】の内容、の「動かぬ芖点」は【 Ⅱ 】の内容にそれぞれ沿っおいお適切。問題は「a→b→c」の【 Ⅰ 】【 Ⅱ 】を越境する論理関係だが、「動くこずができない(a)ガラス障子(b)→動かぬ芖点(c)」ず芋るずその論理は劥圓なものずいえよう。次に二文目「そう考えるず(ab→c)/子芏の曞斎もル・コルビュゞ゚の蚀う沈思黙考の堎ずしお機胜しおいた(d)」。「動かぬ芖点(c)→沈思黙考(d)」の論理に぀いおは、同じ【 Ⅱ 】の⑥段萜、問でも確認したように事実レベルで正しい。ならば「ab→c」が論理的に劥圓なのだから、党䜓ずしおの「ab→c→d」遞択肢③も論理的に劥圓だずいえる。 
 
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