目次

  1. 〈本文理解〉
  2. 問䞀「その意味で、仮面の探求は、人間のなかにある普遍的なもの、根源的なものの探求に぀ながる可胜性をもっおいる」(傍線郚ア)ずはどういうこずか、説明せよ。(60字皋床)
  3. 問二「仮面は憑䟝を前提ずしなくなっおも存続しうる」(傍線郚む)ずはどういうこずか、説明せよ。(60字皋床)
  4. 問䞉「他者ず私ずのあいだの新たな境界ずなる」(傍線郚り)ずはどういうこずか、説明せよ。(60字皋床)
  5. 問四「『異界』ず自分自身ずを、぀かの間にせよ、可芖的なかたちで぀かみ取るための装眮」(傍線郚゚)ずはどのようなこずを蚀っおいるのか、本文党䜓の趣旚を螏たえお100字以䞊120字以内で説明せよ。
  6. 問五 (挢字の曞き取り)

 

〈本文理解〉

出兞は吉田憲叞「仮面ず身䜓」。著者は囜立民族孊博物通通長。
 
①段萜。いたさらいうたでもなく、仮面はどこにでもあるずいうものではない。 いずれにせよ、仮面は、人類文化に普遍的にみられるものではけっしおない。
 
②段萜。ただ、䞖界の仮面の文化を広くみわたしお泚目されるのは、仮面の造圢や仮面の補䜜ず䜿甚を支える組織のありかたに倧きな倚様性がみられる䞀方で、随所に、地域や民族の違いを越えお、驚くほどよく䌌た慣習や信念がみずめられるずいう事実である。盞互に民族移動や文化の亀流がおこったずは考えられない、遠く隔たった堎所で酷䌌した珟象がみずめられるずいうのは、やはり䞀定の条件のもずでの人類に普遍的な思考や行動のありかたのあらわれだず考えおよい。「その意味で、仮面の探究は、人間のなかにある普遍的なもの、根源的なものの探究に぀ながる可胜性をもっおいる」(傍線郚ア)。
 
③段萜。地域ず時代を問わず、仮面に共通した特性ずしおあげられるのは、それがい぀でも、「異界」の存圚を衚珟したものだずいう点である。 仮面は぀ねに、時間の倉わり目や危機的な状況においお、異界から䞀時的に来たり、人びずず亀わっお去っおいく存圚を可芖化するために甚いられおきた。 たしかに、知識の増倧ずずもに、人間の知識の及ばぬ䞖界異界は、村をずりたく山や森から、月ぞ、そしお宇宙ぞず、どんどん遠くぞ退いおいく。しかし、䞖界を改倉するものずしおの異界の力に察する人びずの憧憬、異界からの来蚪者ぞの期埅が倉わるこずはなかったのである。
 
④段萜。ただ、忘れおならないのは、人びずはその仮面のかぶり手を、あるずきは歓埅し、あるずきは慰撫し、たたあるずきは痛め぀けおきたずいうこずである。仮面は異界からの来蚪者を可芖化するものだずはいっおも、それはけっしお芖られるためだけのものではない。それは、あくたでもいったん可芖化した察象に人間が積極的にはたらきかけるための装眮であった。仮面は、倧きな倉化や危機に際しお、人間がそうした異界の力を䞀時的に目にみえるかたちにし、それにはたらきかけるこずで、その力そのものをコントロヌルしようずしお創りだしおきたもののように思われる。 
 
⑀段萜。ここでは、仮面が神や霊など、異界の力を可芖化し、コントロヌルするための装眮であるこずを匷調しおきた。しかし、そのような装眮は少なくずももうひず぀ある。神霊の憑䟝、぀たり銮霊である。しかも、仮面は、これたで、憑䟝の道具ずしお語られるこずが倚かった。 仮面をかぶった螊り手には、霊が䟝り憑き、螊り手はその霊になりきるのだ。 (〜⑥段萜)。
 
⑊段萜。しかし、その䞀方で神事を脱し芞胜化した仮面や子どもたちが奜んでかぶる仮面に、憑䟝ずいう宗教的な䜓隓を想定するこずはできない。仮面のありかたの歎史的倉化が語っおいるのは、「仮面は憑䟝を前提ずしなくなっおも存続しうる」(傍線郚む)ずいう事実である。そしおその点で仮面は決定的に霊媒ず異なる。霊媒は憑䟝ずいう信念が倱われた瞬間、存立しえなくなるからである。
 
⑧段萜。仮面ず憑䟝の盞同性を匷調した埓来の議論に反しお、民族誌的事実ず歎史的事実は、このように、ずもに仮面ず憑䟝ずの違いを䞻匵しおいる。仮面は憑䟝ず重なりあい぀぀も、それずは異なる固有の堎をもっおいるのである。では、その固有性ずは䜕か。それを考えるには、顔をもうひず぀の顔で芆うずいう、仮面の定矩に戻る以倖にないであろう。そしお、その定矩においお、仮面が人間の顔ないし身䜓をその存立の䞎件ずしおいる以䞊、仮面の固有性の考察も、私たちの身䜓ずのかかわりにおいお進められなければならない。以䞋では、仮面を私たちの身䜓的経隓に照らしお考察するこずにする。
 
⑚段萜。仮面ず身䜓ずのかかわり。それはいうたでもなく、仮面が顔、玠顔の䞊に぀けられるものだずいう単玔な事実に求められる。 
 
⑩段萜。倉身にずっお、顔を隠すこず、顔を倉えるこずが栞心的な意味をも぀理由をはじめお明確に瀺したのは、和蟻哲郎であった。 和蟻は「人の存圚にずっおの顔の栞心的意矩」を指摘し、顔はたんに肉䜓の䞀郚ずしおあるのでなく、「肉䜓を己れに埓える䞻䜓的なるものの座、すなわち人栌の座」を占めおいるず述べたのであった。
 
⑪段萜。この和蟻の指摘の通り、確かに私たちの他者の認識の方法は顔に集䞭しおいる。逆にいえば、他者もたた私の顔から私に぀いおのもっずも倚くの情報を埗おいるずいうこずになる。しかし、他者が私を私ずしお認知する芁ずなるその顔を、私自身は芋るこずができない。自分の身䜓でも他の郚分なら鏡を䜿わずになんずか芋えるのに、顔だけは絶察に芋るこずができないのである。和蟻の蚀葉を借りおいえば、顔は私の人栌の座であるはずなのに、その顔は私にずっおもっずも䞍可知な郚分ずしお、終生、私に぀きたずうこずになる。
 
⑫段萜。顔は、しかも身䜓のなかでも、時々刻々ずもっずも倧きな倉化を遂げおいる郚分であろう。 
 
⑬段萜。もっずも他者から泚目され、もっずも豊かな倉化を瀺すにもかかわらず、けしお自分でみるこずのできない顔。仮面は、たさにそのような顔に぀けられる。そしお「他者ず私ずのあいだの新たな境界ずなる」(傍線郚り)。
 
⑭段萜。ここで仮面が、朚補のものず繊維補のものずを問わず、それぞれにほが定たった圢をもったものだずいう点を忘れおはならない。そのうえ、私たちは、その反面、自分ず他者ずの新の境界を、自分の目で芋お確かめるこずができる。仮面は、倉転きわたりない私の顔に、固定し察象化したかたどりを䞎えるのである。したがっお、「仮面をかぶるず、それたでの自分ずは違った自分になったような気がする」ずいう、人びずが挏らす感想も、固定された玠顔から、別のかたちに固定された顔ぞの倉化にずもなう感想なのではない。それはむしろ、垞に揺れ動き定たるこずなかった自身の可芖的なありかたが、はじめお固定されたこずにずもなう衝撃の衚明ずしおうけずめられるべきである。たた、粟霊の仮面をかぶった男が聖霊に憑䟝されたず確信するのも、そしおりルトラマンの仮面をかぶった少幎がりルトラマンに「なりきれる」のも、仮面によっおかぶり手の䞖界に察する関係がそのかたちに固定されおしたうからにほかならない。
 
⑮段萜。仮面は、私たちにずっお自分の目ではけっしおずらえられない二぀の存圚、すなわち「「異界」ず自分自身ずを、぀かの間にせよ、可芖的なかたちで぀かみ取るための装眮」(傍線郚゚)なのである。
 

問䞀「その意味で、仮面の探求は、人間のなかにある普遍的なもの、根源的なものの探求に぀ながる可胜性をもっおいる」(傍線郚ア)ずはどういうこずか、説明せよ。(60字皋床)

内容説明問題。肩慣らしの䞀問。「その意味で(A)//仮面の探究は/根源的なものの(B)/探究に぀ながる可胜性をもっおいる(C)」。に぀いおは、盎前の文「䞖界の仮面の文化を広くみわたしお泚目されるのは 地域や民族の違いを越えお /遠く隔たった堎所で酷䌌した珟象がみずめられる」ず次段萜(③)の冒頭「地域ず時代を問わず」を螏たえお、「仮面をめぐっおは地域や民族、時代を問わず酷䌌した珟象が認められる」ずたずめる。そこからの論理的垰結ずしお「仮面の探究は〜可胜性をもっおいる」を換蚀するずよい。
 
特にの具䜓化がポむントずなるが、このずき、やはり盎前郚から「人類に普遍的な思考や行動のありかた」をそのたた換蚀芁玠にするのは浅薄にすぎる。ずいうのも、この箇所は「その意味で」に含たれる郚分であり、(→)はその論理的垰結でなければならないからだ。そこで、改めおからの垰結であるこず、「人間のなかにある/普遍/根源」ず関わるものであるこず、を螏たえおを「人間/䞀般の/本質」ず具䜓化した。の換蚀も䞁寧にしお、解答は「仮面をめぐっおは地域や民族、時代を問わず酷䌌した珟象が認められるので(A)//その探究は/人間䞀般の本質を(B)/解明する端緒になりうるずいうこず(C)」ずなる。本文の蚀葉や内容に則るべきだが、それは本文の蚀葉を継ぎ接ぎしお解答の颚にするこずず同矩でないこずを、肝に銘じおおきたい。
 
 
〈GV解答䟋〉
仮面をめぐっおは地域や民族、時代を問わず酷䌌した珟象が認められるので、その探究は人間䞀般の本質を解明する端緒になりうるずいうこず。(65)
 
〈参考 S台解答䟋〉
仮面の文化には地域や民族を超えた共通の慣習や信念が認められ、仮面の研究は人類に普遍的な思考や行動を解明しうるずいうこず。(60)
 
〈参考 K塟解答䟋〉
倚様な仮面の文化に芋られる類䌌した慣習や信念を考察するこずは、地域や民族、時代の違いを超えた人間の本質を探る手がかりずなりうるずいうこず。(69)
 
〈参考 Yれミ解答䟋〉
仮面は䞀郚の地域に特有のものだが、そこに芋られる慣習や信念の類䌌性を通しお人間䞀般に通じる思考や行動の考察が可胜になるずいうこず。(65)
 
〈参考 T進解答䟋〉
遠隔の地で芋られる酷䌌した仮面の珟象は人類の普遍的に持぀思考や行動の圚り方の具珟ず考え埗る点で、仮面を研究すれば人類の本質を远求し埗るずいうこず。(73)
 
 

問二「仮面は憑䟝を前提ずしなくなっおも存続しうる」(傍線郚む)ずはどういうこずか、説明せよ。(60字皋床)

内容説明問題。傍線郚を䞀文で芋るず「仮面のありかたの歎史的倉化が(A)/語っおいるのは/仮面は憑䟝を前提ずしなくなっおも存続しうる(傍線郚)/ずいう事実である」ずなる。ここから傍線郚はを根拠ずしお導かれる、刀断(呜題)であるこずが分かる。よっお、解答構文を「によるず//憑䟝は(B)/仮面の文化の成立条件(必芁条件)でないずいうこず」ずしお、あずはずを具䜓化すればよい。
 
に぀いおは、傍線郚䞀文の前文「神事を脱し芞胜化した仮面や子どもたちがかぶる仮面に(←倉化の埌)、憑䟝ずいう宗教的な䜓隓を想定するこずはできない」を根拠ずする。に぀いおは、傍線段萜から段遡った⑀段萜より「仮面が 異界の力を可芖化し、コントロヌルする装眮/そのような装眮はもうひず぀ある/神霊の憑䟝、぀たり憑霊である/仮面は 憑䟝の道具ずしお語られるこずが倚かった(←倉化の前)」を根拠ずする。以䞊より、解答は「仮面の䜿甚が䞖俗化した歎史的倉化(A)を螏たえるず//異界の力を可芖化し制埡するずいう憑䟝は(B)/仮面の文化の成立条件ではなくなるずいうこず」ずなる。仮面の脱「宗教」化を「䞖俗」化ずいう蚀葉でたずめたのは、語圙ずしお知っおおくずよい。M.ノェヌバヌの『プロテスタンティズムの倫理ず資本䞻矩の粟神』(プロ倫)によるず、「脱呪術化」すなわち「信仰の䞖俗化」こそが「近代化」の条件ずなる。
 
 
〈GV解答䟋〉
仮面の䜿甚が䞖俗化した歎史的倉化を螏たえるず、異界の力を可芖化し制埡するずいう憑䟝は、仮面の文化の成立条件ではなくなるずいうこず。(65)
 
〈参考 S台解答䟋〉
仮面は、異界の力を可芖化し制埡する憑䟝の道具ずされおきたが、宗教性を脱しおも倉身の手段ずしお甚いられ続けるずいうこず。(59)
 
〈参考 K塟解答䟋〉
仮面をかぶった者に神霊が䟝り憑くこずで、その力を掻かせるずいう宗教的信念を脱した今日でも、仮面は芞胜や遊戯などの堎面で䜿われおいるこず。(68)
 
〈参考 Yれミ解答䟋〉
憑䟝ず仮面は深く結び぀きながらも、仮面は人間の顔や身䜓を前提ずしお成立する点で、憑䟝ずは独立しお存圚するこずが可胜だずいうこず。(64)
 
〈参考 T進解答䟋〉
仮面は、異界の力を可芖化し、その力を統埡する装眮で、神霊の憑䟝の道具でもあるが、神霊の憑䟝ずいう信念が倱われおも存立し続けるずいうこず。(68)
 
 

問䞉「他者ず私ずのあいだの新たな境界ずなる」(傍線郚り)ずはどういうこずか、説明せよ。(60字皋床)

内容説明問題。「新たな境界ずなる」ずいう衚珟は、倉化の結果を瀺しおいる。倉化をもたらす芁因は、傍線前文より「仮面を/顔に/぀けるこず」である。それによっお「もっずも他者から泚目され(a)/もっずも豊かな倉化を瀺すにもかかわらず(b)/けしお自分ではみるこずできない顔(c)」(傍線文前/倉化前)が倉化し、「新たな境界ずなる」(倉化埌)のである。
 
では「新たな境界ずなる」ずはどういう事態か根拠ずなるのは、傍線次段(⑭)より「私たちは、その仮面、自分ず他者ずの新たな境界を、自分の目で芋お確かめるこずができる(d)/仮面は、倉転きわたりない私の顔に、固定化し(e)/察象化しかたどりを䞎える(f)」。たた、同じ段萜の最終文「粟霊の仮面をかぶった男が粟霊に憑䟝されたず確信するのも りルトラマンの仮面をかぶった少幎がりルトラマンに「なりきれる」のも、仮面によっおかぶり手の䞖界に察する関係がそのかたちに固定されおしたうから(g)」ずいう芁玠も参照するずよい。
 
以䞊より、解答は「他者に晒されながら(a)/自身にずっお䞍可知である顔を(c)/仮面をかぶるこずでその倉化を固定し(be)/自身の管理䞋に眮き(df)/改めお他者に向かうずいうこず(g)」ずなる。蚘述の工倫は、「自分の目で芋お確かめるこずができる(d)/察象化しおかたどりを䞎える(f)」では螏み蟌みが浅いので、「自身の管理䞋に眮き」ず衚珟し盎した点である。次の本文䞻旚問題ずも関わるこずだが、仮面には憑䟝の機胜ず同じく「異界の力を可芖化し、コントロヌルする(â‘€)」力があるが、それは憑䟝抜きでも成り立぀のであった(問二)。そしお、この「可芖化ずコントロヌル」は、より本質的には自らの「顔」ずいう「私の人栌の座(⑪)」にありながら、その「私」にずっお䞍可知であり、よっおコントロヌルしがたいものにも適甚できる、ずいうのが⑚〜⑭パヌトの文脈であろう。この点を螏たえお「管理䞋」ずいう衚珟を甚いた。
 
 
〈GV解答䟋〉
他者に晒されながら自身にずっお䞍可知である顔を、仮面を被るこずでその倉化を固定し、自身の管理䞋に眮き改めお他者に向かうずいうこず。(65)
 
〈参考 S台解答䟋〉
人栌の座でありながら私には䞍可知で倉化に富む顔に仮面を぀けお固定し察象化するこずで、他者ずの関係が新たになるずいうこず。(60)
 
〈参考 K塟解答䟋〉
人栌の衚れずしお他者に認知されるが、自ら確認できないたた垞に倉化する顔が、仮面によっお自分にも芋える固定した像ずしお他者に瀺されるこず。(68)
 
〈参考 Yれミ解答䟋〉
人栌の栞心であり、たえず倉動し぀぀自分には芋えない顔に仮面を぀けるこずで、他者ずの間に可芖的で固定的な別の圢が䜜られるずいうこず。(65)
 
〈参考 T進解答䟋〉
仮面は、他者が「私」の人栌を芋出しおいた顔を芆い、そこで衚出された人栌が「私」であるずいう認識のもずに、他者ずの新たな関係が拓かれおいくずいうこず。(74)
 
 

問四「『異界』ず自分自身ずを、぀かの間にせよ、可芖的なかたちで぀かみ取るための装眮」(傍線郚゚)ずはどのようなこずを蚀っおいるのか、本文党䜓の趣旚を螏たえお100字以䞊120字以内で説明せよ。

内容説明問題(本文䞻旚)。傍線郚は、文のみからなる最終⑮段萜「仮面は、私たちにずっお自分の目ではけっしおずらえられない二぀の存圚、すなわち「「異界」ず自分自身ずを、぀かの間にせよ、可芖的なかたちで぀かみ取るための装眮」なのである」の埌半郚にある。これを螏たえ、解答構文を「仮面ずは/䞍可芖な異界の力を(A)/たた䞍可芖な自分自身顔を(B)/぀かの間にせよ/可芖的なかたちで぀かみ取るための(C)/装眮だずいうこず(D)」ずし、〜を具䜓化すればよい。
 
解答の䞭心になるに぀いおは③〜⑧パヌトを、に぀いおは⑚〜⑭パヌトを参照すればよい。特に、は「仮面は぀ねに、時間の倉わり目や危機的な状況においお、異界から䞀時的に来たり、人びずず亀わっお去っおいく存圚を可芖化するために甚いられた(③)」、は「顔は人栌の䞻座であるはずなのに、その顔は私にずっおもっずも䞍可知な郚分(⑪)/もっずも他者から泚目され にもかかわらず、けしお自分では芋るこずのできない顔(⑬)」を根拠ずした。たた、その䞡者を束ねるに぀いおは、問䞉の解説の最終郚ですでに觊れたように、「可芖化ずコントロヌル」ずいう衚珟を甚いるのが的確だろう。さらにに぀いおは、〜では觊れない①②パヌトに着目しお「(仮面ずは)地域や時代を問わず普遍的な様匏をも぀文化装眮である」ずたずめるこずができる(←問䞀)。
 
以䞊より、解答は「仮面ずは/珟象的には瀟䌚の倉化や危機をもたらす䞍可芖な異界の力を(A)/より本質的には普段は他者に晒されながら自身にずっお䞍可知な人栌の座ずしおの顔を(B)/䞀時的にしろ/可芖化し制埡するための(C)/地域ず時代を問わず普遍的な様匏をも぀文化装眮だずいうこず(D)」ずなる。ここで、「異界」ず「顔」を「可芖化し制埡」する「仮面の機胜」においおは、埌者により「本質」があるこずを螏たえ(⑧)、前者に察しおはその察矩語である「珟象」ずいう語圙を甚いおいる。より質の高い解答を提瀺するためには、日頃から汎甚性の高い語圙に芪しみ、適切に䜿える圢でストックしおおくこずが肝芁である。
 
 
〈GV解答䟋〉
仮面ずは、珟象的には瀟䌚の倉化や危機をもたらす䞍可芖な異界の力を、より本質的には普段は他者に晒されながら自身にずっお䞍可知な人栌の座ずしおの顔を、䞀時的にしろ可芖化し制埡するための、地域ず時代を問わず普遍的な様匏をも぀文化装眮だずいうこず。(120)
 
〈参考 S台解答䟋〉
仮面は、異界の存圚を可芖化し人間が積極的に働きかけるための装眮であるずずもに、自身の顔ずいう䞍可知で倉化に富むものを固定し察象化する装眮であり、自分の県では捉えられないものを䜕ずか制埡しようずする人間の根源的な欲求に関わるものだずいうこず。(120)
 
〈参考 K塟解答䟋〉
䞖界を改倉する力を持぀異界や、自分には芋えぬたた人栌を衚す顔のように、人間の存圚を巊右しながら人間には䞍可知なものを、䞀時的にせよ、仮面によっお可芖化し制埡するこずで䞖界や自己を倉えようずする点に、人間の根源的な思考や行動がうかがえるこず。(120)
 
〈参考 Yれミ解答䟋〉
仮面は異界の存圚を可芖化し、䞖界を倉えうるものずしおそれらに積極的に働きかけ、コントロヌルするこずを可胜にする装眮であり、同時に自らの人栌の䞭栞であり、垞に倉動し぀぀自分では芋るこずのできない顔を可芖化し、固定化する装眮でもあるずいうこず。(120)
 
〈参考 T進解答䟋〉
人知の及ばぬ䞖界の力を可芖化しおその統埡を目指す、たた人の人栌が衚れるのに圓人には䞍可芖で絶えず倉化する顔を芆っお固定化する仮面は、人間には䞍可芖のものに䞀過的にでも定たった圢を䞎えお可芖化しお、䞖界ずの新たな関係をもたらしうるずいうこず。(120)
 
 

問五 (挢字の曞き取り)

a.狩猟 b.遂げお c.衝撃

 

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