〈本文理解〉

 
出典は高桑和巳『哲学で抵抗する』
 

問一 (漢字の書き取り)

A.既得 B.惰性 C.義憤 D.規範 E.遂行

 

 

問二「支配的な権力」(傍線一)とあるが、それはどのようなものか、説明しなさい(30字以内)。

 
〈GV解答例〉
意識の有無、有形・無形を問わず力関係により当為を強制する力。(30)
 
〈参考 S台解答例〉
意識無意識に関係なく事柄の自明性を強制してくる体制的な力。(29)
 
〈参考 K塾解答例〉
優位に立って人々に介入し、意に沿うように強いる体制的な力。(29)
 

問三「抵抗に、いいも悪いもありません。」(傍線二)とあるが、それはなぜか、説明しなさい(40字以内)。

 
〈GV解答例〉
抵抗とは当事者のやむにやまれぬ感情の発露であり、第三者の評価を与件としないから。(40)
 
〈参考 S台解答例〉
抵抗とは、意味や効果とは無関係におのずと生じてくるやむにやまれぬ振る舞いだから。(40)
 
〈参考 K塾解答例〉
権力への抵抗は、その意味や効果の有無とは無関係に、自然に生じてしまうものだから。(40)
 

問四「哲学もまた抵抗です。それも知的な抵抗です。」(傍線三)とあるが、どういうことか、文章全体をふまえて説明しなさい(50字以内)。

 
〈GV解答例〉
哲学の本質は行為の当事者性にあり、事後的な評価に関わらず、その行為は既に知的な知覚の変容を伴うこと。(50)
 
〈参考 S台解答例〉
哲学は実際的な効果はなくとも、自明とされる世界観や固定観念を相対化し変容するものであるということ。(49)
 
〈参考 K塾解答例〉
哲学は既存の事柄を自明視せず、実効性とも無縁に、概念を鍛え上げて世界の見方を変える営みだということ。(50)