「去年、私は不合格を確信していた——」
試験を終えた瞬間、「これはダメだ」と思った。
結果を待つことすら怖くて、夜になって恐る恐る画面を開いた。
でも、今年は違った。
1科目目の手応えが思ったより悪くても、「次で取り返せる」と自然に思えた。
それだけの自信があった。
浪人生活の1年間で何が変わったのか?
自治医科大学医学部医学科の合格を掴み取ったヒカリさんの先生たちとのエピソードとともに振り返ります。
Q.合格発表時の様子
合格発表の時間を両親とともに待ち、ドキドキしながらその瞬間を迎えました。そして、合格を確認した瞬間、最初に湧き上がったのは純粋な嬉しさでした。ずっと支えてくれた両親も大喜びしてくれ、その姿を見てさらに嬉しさが増しました。この1年頑張ってきて良かったなって思いと、高校時代から苦労をかけてきた両親に対する感謝の気持ちが強く込み上げました。その感情があふれ、思わず涙がこぼれそうになりました。
Q.今年の受験と昨年の違い
Q.なぜ違いが生まれたのか
やっぱり結局、受験って合計点勝負で、数学での失点分や人より取れない部分の点数を理科でカバーできるという自信がつくぐらい、理科の実力が自分の中についたという思いがあったから、それが大きかったです。
どの科目も自分の中で伸びたというのはあるんですけど、3科目(英語、理科、数学)の中で見ても、理科が突出して点数が取れるという思いがあったから、そこが大きかったです。自治医科の理科は知識が細かかったり、時間の制限がすごく厳しいのですが、授業や演習の中で細かい知識までちゃんと教えてもらって、そこの復習をしっかりやりながら知識もつけられましたし、普段から時間を厳しくした状況で演習していたことで、時間の制約に対する体制が身についていたのだと思います。
去年は生物から解いて、化学が半分ぐらいしか時間が足りなくて解けないという感じでしたが、今年は自分の中でどう時間配分すればいいかというのが、普段の演習や直前の過去問での対策の中でイメージができていて、そのイメージ通りに解いていくことができたという感じでした。
Q.授業内での時間制限に対する取り組みについて
4月・5月の発展クラスから共通テスト形式の演習が始まり、最初はセンター試験形式、次に共通テスト形式の問題に取り組みました。通常の試験時間は60分ですが、演習では40分に短縮し、さらに自分は10月以降さらに5分削られ、35分で解く訓練を行いました。最初は時間が足りないと感じ、どの問題を捨てて得点を最大化するかを考えながら取り組みました。その結果、演習を重ねるうちに解くスピードが向上し、時間配分のコツもつかめるようになりました。最終的には35分で共通テストを解き切ることができるようになり、本番でも自信を持って臨むことができました。
Q.塩谷先生について
塩谷先生は、常に生徒の状況を気にかけ、適切なタイミングで声をかけてくれる先生でした。高校時代は塾に通っていなかったため、自分の学習方法や進捗が正しいのか判断するのが難しく、常に不安を抱えていました。何をどのように進めるべきか、自分のやり方が合っているのか、すべて自分で決めなければならず、誰かに確認してもらうこともできませんでした。そのため、「このままでいいのか?」という迷いを抱えながら勉強を続けることが多かったです。
しかし、塾に通い始めてからは、先生が定期的に声をかけ、進捗を確認してくれたことで、「自分は正しい方向に進んでいるんだ」と実感できるようになりました。特に、勉強の進み具合を気にかけてもらえることが本当に嬉しく、今まで独学で孤独に戦ってきた自分にとって、大きな支えになりました。その安心感が、学習を継続するモチベーションにつながったと感じています。
授業の進め方も、自分にとても合っていました。単元ごとに進めるのではなく、関連する知識を他の単元から引っ張りながら授業を進めるため、それぞれの知識が繋がっていく感覚があり、理解が深まりました。この学習法のおかげで、知識を単体で覚えるのではなく、複数の情報を結びつけて活用できるようになりました。
授業内では生徒に積極的に問いかけたり、前回の授業内容を復習したりする時間が設けられていました。例えば、授業で扱った用語の定義についてスライド上で問題が出され、一問ずつ解答を書いて持っていき、先生のチェックを受けるという感じでした。「OK」と言われれば次に進み、「足りない」と指摘されればより詳しく書き直す、という流れがあり、先生がその場で一人ひとり添削してくれるため、集団授業でありながらも個別に向き合ってくれていると感じました。
さらに、先生は勉強の進捗管理にも気を配り、「この教材はどこまで進んだ?」「いつまでにこれを終わらせよう」といった声かけを定期的にしてくれました。その声かけも決して厳しいものではなく、「頑張れよ」と応援してくれるような温かい雰囲気があり、モチベーション維持につながっていました。
最初は先生の大きな声や迫力に驚きましたが、関わるうちに「この圧は、生徒に頑張ってほしいという気持ちの表れなのだ」と理解しました。特に印象に残っているのは、「ヒカリンがこんなに頑張ってるんだから、俺も頑張んないとじゃん」という言葉でした。先生自身も生徒と同じ方向を向き一緒に頑張ろうとしてくれていると感じ、その言葉がとても嬉しかったです。
また、生物の授業も同様の形式で進められました。特に考察問題では、先生の指導だけでなく、生物選択の仲間と意見を出し合いながら解答を考える機会が多く、それが理解を深める助けになりました。仲間と協力して取り組めたことで、より効果的に学習できたと感じています。
Q.高校時代の勉強
高校時代は、朝早く登校して2時間ほど自習し、その後授業を受け、放課後も夜7時まで学校で勉強していました。自習時間には周囲も自習していたため「自分も頑張ろう」と思えましたが、誰かに進捗を確認してもらえる環境ではなかったため、自分の勉強方法が正しいのか、教材の選び方が適切なのかといった不安が常にありました。また、放課後の勉強後に帰宅すると、体育の授業などで疲れ、つい寝てしまう日もあり、継続的に勉強する難しさを感じていました。
学習計画についても、どの教材をいつまでに終わらせるか、科目のバランスはどうするかを自分で決めていました。そのため、計画通りに進んでいるのか判断しづらく、甘えが出たり、バランスを崩したりすることがありました。結果として、現役時代の受験勉強は、不安を抱えながらの孤独な戦いだったと感じています。
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