傾向と対策

共通テストセンター試験のときと比べ以下の点が主に変わった点として挙げられる。

・実生活や身近なものを題材としその内容を読み取り数学的に考察させる問題
・ただ値を求めるだけでなく、どのような状況になるか説明を選択させる問題
・会話文からより発展的に考察していく問題 今までのセンター試験では公式を覚え、その公式をどのような場で使うのかを最悪暗記すれば点数につながる問題も多くあった。

 

しかし、今回の第1問[2]三角比、第2問関数の問題にあるように与えられた条件下ではどのような状況になるか考えたり、短距離走を数学的に考察したりする問題では、ただの知識を意味も分からず覚えるだけで高得点を取ることは難しい。

 

第2問[2]データの分析のように図や表の読み取りが多く知識を集めるだけでは対応できない問題は多くある。 このような試験に対しての対策は日頃から疑問をもつことが何よりも大切である。 ただ答えを出せればその過程に興味を抱かない、公式や解法を丸暗記しそれをアウトプットすることが勉強だと考えてる学生は多くいる。 上述したような学生は勉強に対してあるいはそれぞれの教科に対して興味がないのであろう。まずは、興味を抱き数学を面白いと思える体験を通すことで、色々な現象に疑問を持てるようになるのではないだろうか。

 

疑問を持つことでさらに深い考察ができ、一つの知識に対しても深く知ることができる。そのことが共通テストで求められている。 つまり、「数学を楽しむ」ことがなによりも数学をできるようになる対策である。 楽しむためには拒絶せず、興味を持つことが何よりも大切である。

 

しかし、数学や算数で「わからない」ということで嫌な体験をしてきた生徒も多くいると思う。悲しいことに先生や友達にバカにされたことがあるという話も少なくない。そういう数学がトラウマになるような体験が数学の興味を失わせていることは間違いない。 だが、「わからない」という事実は恥ずべきことではなく、自分の思考をより深める試金石である。「わからない」とは素晴らしいこと、恥ずかしいことではないことを全生徒に知ってもらいたい。

数学科担当 比嘉諒輔