傾向分析と対策について
第1問は例年通り小問集合となっており、力学3問と波動1問が出願された。いずれも基本的な内容であるが、公式を用いる定量的な問題、物理量の変化をグラフで表す問題、物理現象の原因と結果を問う定性的な問題、それらの解答を複合して答える選択肢となっており、中途半端な理解では正確な解答は難しいと思われる。 第2問は[A]直流回路で発生する熱の大小比較、[B]ドライヤーでの電力計算となっている。[A]で問われる内容は水の温度変化がどうなるか、という結果についてではなくその原因を問うものであった。直列回路と並列回路における電流、電圧、抵抗の関係を正確に把握している必要がある。 第3問は金と銀の判別をテーマとして、力学・熱・電磁気という分野にまたがる問題であった。目新しい設定であるがそれぞれの分野は独立しているので普通の問題と同様に対応すればよいだけであった。
全体としては物理基礎で学ぶ内容を実生活にどう応用できるか、という共通テストの目標が反映されたものであった。今後もこの傾向は強まると思われるので、小学校や中学校で行った実験、自分の身の回りの現象や道具などで物理基礎の内容と関連があるもの、を振り返り注意深く観察していく必要がある。
数学・理科担当 砂川多津男