全体

全体の難易度としては昨年と比べ易化し解きやすい問題が増えたように思える。しかしその一方で選択肢から選ばせる問題が増えた。これにより、ただ値を求めるだけでなくその値がどういう状況を示すのか理解していなければ解けない問題が出題されるようになった。

 

第1問

〔1〕三角関数 誘導にうまく乗れば計算量も少なく、スムーズに解ける問題であったと思われる。(2)(3)を利用して(4)に活かす問題は共通テストとしてはスタンダードな問題であった。 

 

〔2〕指数対数 対数の定義を問われた問題。計算量も少なく具体的な数値に関する問題が多かったため得点しやすかったと思われる。最後の問だけが、立てた式と選択肢とのつながりが見えにくい問題であった。 

 

 

第2問 微分積分

前半は極値を求める計算、定積分、不定積分の計算問題で教科書レベルの計算問題が出題された。後半はそこで求めた値を利用してソメイヨシノの開花時期を求める問題であった。開花時期と積分計算をうまく問題の条件から対応させることが求められており読解力が問われる問題だった。 

 

 

第4問 数列

複利計算がテーマの問題。有名なテーマではあるが、初見で問題設定を読んで理解して解答に繋げるのは難しかったのではないかと思う。事前に一度経験していた人とそうでない人で大きく差をつける問題であったと思う。 

 

第5問 ベクトル

今回のベクトルの問題ではただベクトルを式計算で求めるだけでなく、それが図的にはどういった状況を意味するのかを問う問題が出てきた。式と図の対応関係がしっかり理解していなければ解けない問題が後半で出題され最後の問題に至っては同値条件が出題されたため今年の数学2Bにおいては一番難しい分野であった。 

 

数学1Aと同様に文章の読解力が必要であり、条件が何か、何が問われているのかをしっかり意識して取り組まなければいけない。また、併せて公式などの知識を表面的に理解する(式をただ覚えているだけなど)だけでなく、その式が何を示しているのか例えばAB=2ACという式はAB:AC=2:1を示していたり、さらにA,B,Cが同一直線上にあれば、AC:CB=1:1になるなど1つの式でもその状況に合わせて持つ意味はたくさんありそれをしっかり自分で導き出せるように日頃の勉強からただ問いに答えるだけでなく、どういう状況なのかより理解を深めるよう自分だけで完結させず、先生にたくさん質問をしより深い理解に繋げていってほしい。