〈出題の確認〉
まず入試の出題の確認から行います。 数学3の微積分と数Aの確率が出題のほとんどを占めています。 理学部、工学部、医学部保健学科は 4問中2問完答できれば問題なく受かるでしょう。 医学科であれば、少なくとも3問。 医学科としては簡単な問題の部類に入るので 全ての問題を解ききることを目標にしたいところです。
今回は非医学科の高校生が どういう戦略で勉強していけばいいかを解説します。
高3の4月時点でセンター数学が40~50%ぐらいの高校生で 基本的な用語の意味や公式ぐらいは 理解しているが覚えていないものもある というぐらいの学力の人を想定しています。
出題の割合については、過去10年分の出題40問分のうち
確率_9問_22.5%
数列_3問_7.5%
ベクトル_2問_5%
数3微積分_17問_42.5%
その他の数3_8問_20%
詳しい内訳は以下の通りです。
2019 数A_確率1問 数B_数列1問 数3_微積分2問
2018 数A_確率1問 数2_微積分の考え1問 数B_数列1問 数3_微積分1問
2017 数A_確率1問 数3_複素平面1問、微積分2問
2016 数A_確率1問 数3_複素平面1問、微積分2問
2015 数A_確率1問 数3_式と曲線1問、微積分2問
2014 数AB_確率+数列1問 数3_行列(旧課程)1問、微積分2問
2013 数A_確率1問 数3_式と曲線1問、微積分2問
2012 数A_確率1問 数3_極限1問、微積分2問
2011 数A_確率1問 数B_ベクトル1問 数3_行列(旧課程)1問、微積分1問
2010 数2_微積分の考え1問 数B_ベクトル1問 数3_行列(旧課程)1問、微積分1問
*さらに細かい内訳は http://kumamoto.s12.xrea.com/ruihi/ryukyu.html を参考にしてください。 リンク先の情報は「入試の軌跡 & 入試問題(数学)」というサイトから引用しています。
http://kumamoto.s12.xrea.com/plan/ このサイトには九州の国立大の二次数学20年分の問題と解説が載っています。 非常に有用なサイトなので琉球大を受ける人は知っておきましょう。
平均的な出題としては、数Aの確率1問+数3の微積分2問+その他の数3から1問 となります。
非医学科の受験生が受かる水準の2問完答を達成するためには、 数3微積分と数A確率に絞り込んで勉強するといいでしょう。 逆に言うと、微積以外の数3は一旦捨てましょう。数3微積分が琉球大の問題なら 大体解けるようになるまで仕上げてから その他の数3に取り組みます。 教科書レベルの複素平面を仕上げて 式と曲線の公式を覚えて、極限の計算の練習をしましょう。
数Aの確率については センターレベルをまず確実にできるようにする必要があります。 2017年の確率はセンターレベルの出題です。 それ以上のレベルになると n回のサイコロを振るなど文字が絡むことが多くなります。 特に確率の最大最小を求める問題(2008)は初見では難しいので 必ず取り組んでおいてください。
その他には、シグマ計算が絡んだり、 確率の漸化式(2005,2018)となったり数列との融合が多くなります。 センター後に琉球大に頻出のテーマは 必ず確認しておく必要があります。
〈勉強方法とスケジュールについて〉
今度は具体的な勉強方法とスケジュールについて 解説していきたいと思います。
推奨参考書と取り組む時期の目安は以下のようになります。 二次対策のための参考書はセンター数学が 60%以上取れるようになってから本格的に使い始めます。
・センター対策
①スタディサプリの高1-2スタンダード:4~5月 ②白チャートのエクササイズ、発展例題:6~8月 ③緑チャート:9~10月 ④センター演習用の問題集(黒本、青本など):11~12月 *①のスタディサプリが無ければ、白チャートの「定期試験対策コーナー」に取り組んでください。 解けなかった問題は、例題をしっかり確認してできるようにしましょう。
・二次対策
①数3白チャート: 琉球大の二次対策はこれ1冊を完璧にすれば問題なし。 教科書レベルの基本的な内容についての細かな解説から 琉球大の二次レベルの問題までが収録されている。 それ以上に難しいものはほとんどないため 琉球大に受かるのに必要十分な内容。
②標準問題精講:場合の数・確率 場合の数・確率の基礎的な内容を豊富な別解つきで解説。 琉球大に頻出な確率漸化式の問題も多く収録されている。
参考書や問題集に取り組むときのポイントを紹介します。
①完璧にできて復習するのが時間の無駄な問題
②ある程度できるが、理解があやふやな問題
③全然できなくて解説読んでやっと理解ができる程度の問題
①は復習の対象から削除し、②は2~3回復習し、③は何回も復習する必要あり。 というよう効率よく復習するために問題を分類しましょう。
・できるようになるまで反復すべし! 「完璧にできる」とは、何も見ないで その問題に必要な公式や知識、解き方を全てわかり 他人に説明できるようになっている状態です。
・復習の段階を分けるべし!
①目で見て復習 方針考えて、その方針が当たっているかをチェックする。 当たっていたら手を動かす必要なし。
②解いて復習 目で見て解けない問題は 実際に手を動かして問題を解いて 反復練習します。
③類題探して復習 解いて復習してもうまく解けないときは 似たような問題を復習題探して 反復しましょう。 効率よくどんどん勉強を進めていきましょう! 勉強のスケジュールは以下のようなイメージになります。
・高3の春前半:4~5月
1A2B 教科書レベルの基礎固め(80%)
3 学校の授業に集中(20%)
・高3の春後半:6~7月
1A2B 教科書演習問題レベルの練習問題(80%)
3 学校の授業に集中(20%)
・高3の夏:8月
1A2B センター標準レベルの問題演習(60%)
3 学校の授業に集中+数3微積分の計算練習(40%)
*センターの点数に余裕があれば、 この時期に場合の数・確率の二次レベルの問題にも取り組んでおきましょう。
・高3の秋:9~10月
1A2B センター形式の標準問題演習(40%)
3 数3微積分の典型問題の練習(60%)
*この辺りのタイミングで一度過去問を解いておきましょう。 自分の実力と目標との距離を認識しておくことが重要です。
・高3の直前期:11~1月
1A2B センター形式の実践演習(100%)
3 (0%)
・センター直後:センター直終の1週間
1A2B (0%)
3 ひたすら微積分の計算練習(100%)
*この時期にどれだけ微積分の計算をマスターするがとっても大事! センター終わったからって気を抜かないこと!! 工学部は滑り止めのポリテクカレッジの願書を準備しましょう。
・高3のセンター後の二次対策:2月
1A2B 確率;数列に集中(20%)
3 微積分に集中(50%)
過去問演習(30%)
*センター後の計算練習がひと段落した時点で 一度は過去問に取り組みましょう。 この段階での過去問演習はしっかりと時間計って 記述も本番を意識してやりましょう。
**過去問は試験本番の予行演習です。 時間配分や記述練習も兼ねてはいますが 過去問を完璧にすること自体が目標ではないので 過去問演習に時間をかけすぎないようにしましょう。
このスケジュールをこなせるためには いつまでにどのぐらいの量を1日あたりでこなせばいいのかを計算し 毎日の目標を決めておきましょう。 あとはひたすら日々の学習を積み重ねていくのみ!!!GVでは上に載せた学習が よりスムーズにいくようにサポートしていきます。 基礎の習得は一人一人のペースに合わせて、 入試レベルにつながるレベルは少人数のゼミ形式となります。