〈出題について〉

今回は琉球大学の農学部と教育学部(中等数学除く) この2つの学部の入試数学についての解説を行います。

入試問題は1A2Bの範囲から出題されます。 農学部の全ての学科と教育学部の中等理科以外は 配点が200点となります。 (教育学部の中等理科のみ100点)

出題が多くの場合は数2の微積分から1問 その他複数の単元からの小問集合が1問となることが多いです。

微積分はセンター試験の2Bでも30/100と配点が大きく 二次試験には1問分=100点 あります。つまり多くの受験者にとっては 微積分は130点分の配点があることになります。 これは社会科目の100点分よりも大きい点数です。

したがって、琉球大学の 1A2Bの数学を二次試験に受ける人にとっては 数学2Bの微積分は最重要単元になります。 他の単元が苦手でも微積分だけは 徹底的にやり込んでください。出題される問題のレベルは ほとんどがセンター試験レベルです。

 

微積分の対策の中でも 意識的に行いたいのは絶対値を含む問題への対策です。2018、2017、2012で出題されています。 多くの受験生が絶対値を苦手にするので差がつきやすいポイントです。 また、1/6公式の証明(2009)、三角関数との融合(2006,2012) 円が絡む問題(2016)などに注意です。それ以外は 接線の方程式、接線の本数の問題 面積計算、最大最小などが頻出です。また小問集合は幅広い分野から出題されます。 2006~2019の14年の出題のうち最頻出単元はベクトルと整数 平面ベクトル(6/14)、空間ベクトル(3/14) 、整数の性質(3/5) *整数の性質は2015~2019の5年で3問の出題。準頻出単元は 複素数と方程式(6/14)、指数対数(6/14)の2つ。

 

その他にも出題されています。 図形と計量(2/14)、三角関数(2/14) 数と式(1/14)、式と証明(1/14)、 数列(1/14)、データの分析(1/14)

〈入試対策で注意すべき4つの事〉

入試対策として注意しておくべきことは4つあります。

センターにあまり出題されず対策が疎かになりがちな 複素数と方程式の問題にしっかりと取り組みましょう。
2019年と2018年に連続で出題されている整数の性質は 過去問演習ではあまり触れることができない上に 証明問題も出題されていることに注意してください。
色々な分野の証明問題が出題される。 特別に難しいわけではないがセンター対策で 取り組むことがないため意識して練習する必要があります。 2019:整数の性質 2016:データの分析 2009:微積、式と証明
小問集合が出ないこともある 2006,2007,2014は微積とベクトルの2題 2013は微積と三角比の2題 小問集合の場合は教科書の練習問題、応用例題や 白チャートの基礎例題レベルが出題されるが、 大問で出てきた場合は教科書の章末問題 白チャートの発展例題レベルが出題される。

以上のことから、対策を考えるとすれば ほとんどの問題がセンターレベルの問題なので しっかりとセンター数学の対策を行うこと。 特に微積分には時間をかけておくこと。 センター試験が終わった後の二次対策期間においては 記述式の答案を書くことを意識しながら 問題に取り組む必要があります。

 

微積分の少し難しめな問題に取り組みつつ 対策が疎かになりがちな複素数と方程式、 整数の性質を中心とする証明問題に取り組みます。 その対策が一通り済めば大問として出てくる可能性を考えて ベクトルと図形と計量の少し難しめな問題にまで取り組みます。

 

活用する教材は白チャートでほとんど必要十分な内容です。 余裕がある人は、河合塾のチョイスⅡの微積の範囲にも 取り組み、ほどほどの難易度の色んな問題に触れておきましょう。 特別に数学が苦手な人の場合は センター対策の時点で微積に集中的に取り組み 二次対策期間もとにかく微積を徹底的にやり込んでください。

学習スケジュールについて〉

学習のスケジュールとしては 前回の理・工・医のものから数学3の分を取り除いたものを イメージして進めていけばよいでしょう。