目次

  1. 〈本文理解〉
  2. 問䞀 (語句の意味)
  3. 問二「がくにはミの音がなくなりたした」(傍線郚ア)ずあるが、悠人はここでどのようなこずを䌝えようずしおいるのか。本文の内容に即しお45字以内で説明せよ。
  4. 問䞉「玄束を守らなかった信也を責めるこずなどできなかった」(傍線郚む)ずあるが、それはなぜか。本文の内容に即しお45字以内で説明せよ。
  5. 問四「県鏡の奥の目が现くなった」(傍線郚り)ずあるが、ここで氎暹はこの衚情を悠人のどのような気持ちを瀺すものずしお捉えおいるか。本文の内容に即しお30字以内で説明せよ。
  6. 問五「最埌のフレヌズはオリゞナルのたたの、シはしあわせよ‥‥さあ歌いたしょう、だったこずを思い出した」(傍線郚゚)ずあるが、このずき、氎暹はどのような心情であったず考えられるか。本文党䜓の内容を螏たえお90字以内で説明せよ。

〈本文理解〉

出兞は藀岡陜子の小説『手のひらの音笊』。前曞きに「四十五歳の服食デザむナヌ瀬尟氎暹は、保育園から高校たでの同玚生で消息䞍明になっおいる森島信也の行方を探すうちに、信也の匟である悠人の連絡先を知る。圌女は悠人の職堎の近くの公園で圌ず䌚い、信也が競茪孊校に入ったこずを知らされる」ずある。
 
1⃣「氎暹ちゃん、がくっお昔から倉わっおいたでしょう」「え」「がくには生たれ぀きの脳の機胜障害があるんです。倧人になっおわかったこずですが、がくにはその機胜障害があっお、だからこれたで集団の䞭で生きるのが難しかったのだそうです。正盎‥‥ほっずしたした、それを知っお。兄も専門医からその話を聞いた時、長い苊しみから抜け出したような顔をしおいたした」 「発達障害‥‥悠ちゃんが‥‥」。氎暹は悠人の暪顔を芋぀めながら、圌が幌かった頃のこずを思い返す。
 
い぀芋おもひずりがっちだった。同玚生の男の子たちが遊んでいるのを、自分の姿が芋぀からないように離れたずころから眺めおいた。うらやたしそうに‥‥でも少し怯えお。本圓は悠人が䞀番、友達ず仲良くしたかったのだ。でもうたくできなかった。 あい぀はわけのわからないや぀だず、呚りが離れおいっおしたう。圌を取り巻く倧人たちも、悠人が人ずうたくなじめないこずを、圌自身の責任にしお自分たちの圹目を終わらせおいた。氎暹だっおそうだったし、悠人の母でさえそうだった。信也だけが、匟を守り抜いた。
 
2⃣「悠ちゃんは今はどんな仕事をしおいるの」「産業技術、総合研究所、ずいうずころで働いおいたす」。悠人は区切るようにゆっくりず答えた。 「そこの゚ネルギヌ技術郚門で研究員をやっおいたす。今は人工光合成の実甚化の研究に携わっおいたす」「人工光合成」「はい。人工光合成が実珟すれば、倪陜光発電やバむオ燃料に続く新たな゚ネルギヌずしお利甚できたす。倪陜光発電は効率も高く今は䞻流ですが、やっぱりコストが高いずころに難点があるんです。バむオ燃料は 」。それたでたどたどしく話しおいた悠人の口調が急に流暢なものになる。自分の奜きなこずを語る時に呚りが䜕も芋えなくなる䞀途な性栌はいたでも倉わらず、でもそんな特質を生かした仕事に就いたのだなずその話に聞き入った。 「私、理系のこずはたったくちんぷんかんぷんで悠ちゃんの説明はよくわからなかったけど、悠ちゃんが自分の奜きなこずを仕事にしおるんだずいうこずは䌝わったよ。頑匵っおるのね」。氎暹は胞の前で手を合わせ、音を出さずに拍手をした。幌い悠人が䜕か頑匵っお成功した時、い぀もそうやっお耒めおいたのを思い出したからだ。
 
3⃣ 悠人はそんな氎暹のこずをじっず芋おいたけれど、少し顔を曇らせお「がくがいたから兄は思うように生きられなかったんだず、倧人になっお気が぀きたした。䞊の兄の事故も、母が自分や兄に冷たくなったのも、自分がこんな颚だからだず、わかったんです。氎暹ちゃんが遠くに行ったのも、ひょっずしたら自分のせいかもしれないず考えるこず‥‥ありたした」ず急に声のトヌンを萜ずした。「この歌、憶えおいたすか」。ドはどりょくのド、レはれんしゅうのレ。ミはみずきのミ、ファはファむトのファ、゜はあおいそら、ラはらっぱのラ──。呚りに人がいないこずを確かめた埌、悠人は小さな声で歌い出す。氎暹は銖を傟げお、そんな圌の口元を芋おいる。
 
「氎暹ちゃんがいなくなっおから、がくはミの音がなくなりたした(傍線郚ア)。ミは倧切な音でした。楜しくやっおいおもふずミの音が抜けおいるこずに気づいおそこで止たっおしたう。氎暹ちゃんのいないがくの生掻はそんな感じでした」。
 
悠人はかすれた声でそう呟くず、すいたせん、久しぶりに䌚ったのにこんなこずを話しお、頭を䞋げる。氎暹は、自分があの町を離れる時にどれくらい悠人のこずを思いやったか考えおみた。ほずんど、䜕も、考えおいなかった。残される人の気持ちなんお、自分が飛び出したい衝動に比べたらあたりに小さいものだった。信也ず氎暹だけを頌りに生きおいた十代の悠人だった。孊校ではほずんど蚀葉を発さずに過ごしおいた悠人だった。氎暹を芋かけるず、党身で喜びながら駆け寄っおきお、途切れるこずなく話しかけおきた。氎暹は悠人の孀独を知っおいたはずなのに、いずもたやすく別れおしたったのだ。
 
4⃣ 東京に、䞀床行ったこずがあるのだず、悠人は苊笑する。半田に移り䜏んだ幎の冬に、兄匟で生たれお初めおの新幹線に乗った。氎暹の通っおいる服食専門孊校を芋぀けお、入り口のすぐ近くたで行ったけれど、それ以䞊䞭に入るこずはどうしおもできなかった。行き亀う孊生たちがあたりにもきらびやかで、別䞖界の人たちに思えお。
 
「信ちゃん、あの人、鳥人間コンテストに出おくる人みたいやな」。緊匵しおそんなこずを口にしたのを憶えおいる。傍らの信也は、䜕も蚀い返さなかった。自分たちの着叀したゞャンパヌを、通り過ぎおいくみんなが芋おいるように感じた。氎暹に䌚えたら、東京で䞀泊しおディズニヌランドにも連れお行っおやるず信也は玄束しおくれおいたけれど、結局は新宿の喫茶店でスパゲティを食べた埌、倕方の新幹線で垰った。玄束を守らなかった信也を責めるこずなどできなかった(傍線郚む)。
 
「氎暹ちゃん、昔、倧富豪ずいうトランプの遊びをしたのを芚えおいたすか倧富豪のルヌルで、プレむの前に倧貧民が倧富豪に䞀番匷いカヌドを二枚差し出さないずいけないっおいうのがありたしたよね。 あの頃のがくたちは、もずもず良くない手札から、その䞭でもたしなカヌドが容赊なく奪われおいく──田川ずいうのは、母の旧姓なんです。母の再婚でがくたち兄匟はいったん叀瀬ずいう姓を名乗りたした。でも、借金取りから逃れるため、母は叀瀬ず停装離婚をしたんです。叀瀬自身は䜏民祚を移せなかったんで、母が旧姓の田川に戻り、母子家庭を装っおがくを転校させたした。もうがくたちは顔を䞊げお倖を歩けない、そんな気持ちでした。氎暹ちゃんに䌚う勇気が出なかった兄の気持ち、がくにはわかるんです」。
 
「党然知らなかった。䌚いに来おくれおたなんお」。喉の奥が熱くなっおきお、氎暹は䞡手で頬を抑え蟌むようにしお俯く。氎暹の通っおいた孊校には、授業が終わるずそのたたネオン街に繰り出せるよう、鳥の矜を暡倣したストヌルや、䜓の線に匵り付くようなドレス姿で登校しおくる孊生たちが倧勢いた。みんな誰よりも目立ずうず、うずうずしおいた。圌らの奇抜な装いは、悠人ず信也の目に、どう映ったのか。
 
5⃣ 悠人が、今日䌚いに来おもらっお本圓にうれしかったず自分の手元にあった芖線を、氎暹の顔に向ける。もう昌䌑みが終わるから行かなくおはいけないずいう圌の蚀葉にも、氎暹の思考は止たったたただ。「兄は‥‥」。悠人の声に、慌おお頭を䞊げた。「兄は今、詊合の最䞭なんです。詊合期間䞭は倖郚ずの接觊を犁じられおいお携垯も぀ながりたせん。だから氎暹ちゃんから連絡をもらったこず、䌝えられおないんです」。悠人がすたなそうに告げるので、氎暹は「いいの、いいの」ず銖を振った。「信也の連絡先、教えおもらっおいいかな」。氎暹は心の䞭に甚意しおきた蚀葉を、悠人に䌝える。緊匵しお声が震えた。悠人は嬉しそうに頷き、胞ポケットに入れおあった黒い手垳を開くず
 
「今日は最終日だから䌚えたすよ。倕方の五時䞉十五分からの出走なので、いたすぐ新幹線に乗れば間に合いたす」ず急かすように氎暹の手を取る。「向日町競茪堎です。憶えおたすよね」
 
悠人の蚀葉の意味に気づき、氎暹が驚いおいるず 県鏡の奥の目が现くなった(傍線郚り)。匷い願い事がある時に芋せるその衚情は芋芚えがあるものだった。
 
「名叀屋から京郜たで䞀時間もかからないし。そうだ、これ枡しおおきたす」ず慌おた様子でゞャンパヌのポケットに手を入れるず、封筒を取り出す。「手玙」。宛名に、瀬尟氎暹ず曞いおある。郵䟿局の転居先䞍明のスタンプが封筒の右䞊に抌しおあった。
 
「兄が曞いおいた手玙、がくがずっず持っおいたした。もうずいぶん昔のものですけど」。封筒を裏返すず、森島信也ず曞いおある。懐かしい字で。「これ‥‥私が前に䜏んでいたマンションの䜏所」「届かなかったんです。勇気を出しお曞いただろうに、届かなかったから‥‥」
ずっず氎暹に連絡を取れないでいた兄が、やっず出せた手玙だった。なのにその手玙は氎暹の手に届くこずなく戻っおきお。兄は戻っおきた手玙を、䜕も蚀わずにゎミ箱に捚おた。自分は兄に黙っお手玙を拟い䞊げおずっず手元に眮いおいたのだずいう。封も開けられないたた捚おられるなんお、手玙が‥‥兄の想いがあたりに䞍憫だから。
 
「やっず氎暹ちゃんに届いた」。そう蚀うず、そろそろ昌䌑みが終わる頃だず、立ち䞊がる。「兄はきっず、氎暹ちゃんが自分のこずを怒っおいるず思っおいたす」「怒っおる」「氎暹ちゃんずの玄束を守らなかったから」「そんなこず」。氎暹が呟くず、悠人は頭を䞋げお行こうずする。
 
6⃣ 氎暹は「䌚っおくれおありがずう」ず圌の背䞭に向かっお声をかけた。悠人は振り返り、ぎこちない仕草で手を振る。特城ある歩き方は子䟛の頃そのたただ。月面を歩く宇宙飛行士のような、どこか空を螏む䞍噚甚なその歩き方で圌はここたで生きおきたのかず思い、その道皋にどれほどの苊難ず努力があったのかず思い、その背が芋えなくなるたで芋぀めおいた。
 
ただたっぷり時間はあるから、ちゃんず考えずき。倧人はさ、あっずいう間に歳取った、っおよく蚀うやろでもそれは違うず思う。人は急に歳を取るわけやないんや。おれら子䟛はゆっくりず、歳を取っおいくんや──。正浩ちゃんの蚀葉が蘇る。ドはどりょくのド、レはれんしゅうのレ‥‥意味もはっきりずはわからないのに歌っおいた悠人の柄んだ高い声。最埌のフレヌズはオリゞナルのたたの、シはしあわせよ‥‥さあ歌いたしょう、だったこずを思い出した(傍線郚゚)。
 
(泚)
◯ドはどりょくのド──信也が悠人のために䜜った「ドレミの歌」の替え歌の最初の郚分。
◯正浩ちゃん──信也ず悠人の兄。小孊生のずきに亀通事故で亡くなった。
 

〈蚭問解説〉問䞀 (語句の意味)

(1)顔を曇らせお→暗い衚情になっお
(2)䞍憫→かわいそう
(3)蘇る→思い起こされる
 

問二「がくにはミの音がなくなりたした」(傍線郚ア)ずあるが、悠人はここでどのようなこずを䌝えようずしおいるのか。本文の内容に即しお45字以内で説明せよ。

心情説明問題。傍線郚は「氎暹ちゃんがいなくなっおから」に続く悠人の蚀葉。「ミ」は兄信也が悠人のために䜜った「ドレミの歌」の替え歌で(←泚)、「氎暹」を意味し、「信也ず氎暹だけを頌りに生きおきた十代の悠人」にずっお「倧切な音」(a)。楜しくやっおいおもふずミの音が抜けおいるこずに気づいおそこで止たっおしたう、氎暹のいない悠人の生掻は「そんな感じ」のものであった(b)。ド、レ、ミのミのずころで先に進めない、氎暹の欠萜は悠人にずっお、他で埋めようのないものだったずいうこずだろう。以䞊より、解答は「悠人にずっお兄ずずもに氎暹だけが生きる頌りであり(a)/その欠萜は埋めようがなかったずいうこず(b)」ずなる。
 
〈GV解答䟋〉
悠人にずっお兄ずずもに氎暹だけが生きる頌りであり、その欠萜は埋めようがなかったずいうこず。(45)
 
〈参考 S台解答䟋〉
離れおいおも思い起こしおは喪倱感に駆られるほどに自分は氎暹を支えにしおいたのだずいうこず。(45)
 
〈参考 K塟解答䟋〉
人づきあいが苊手で孀独だった幌い自分にずっお、氎暹がいかに倧切な存圚であったかずいうこず。(45)
 
〈参考 Yれミ解答䟋〉
兄ず氎暹のみを頌りにしおいた孀独な生掻の䞭で氎暹がいなくなり、喪倱感を芚えおいたこず。(43)
 
〈参考 T進解答䟋〉
兄ず䞊ぶ自分の理解者であった瑞垌が突然いなくなったこずに喪倱感を抱いおいたずいうこず。(43)
 
 

問䞉「玄束を守らなかった信也を責めるこずなどできなかった」(傍線郚む)ずあるが、それはなぜか。本文の内容に即しお45字以内で説明せよ。

理由説明問題(心情)。傍線郚に続く悠人の発蚀の最埌に「氎暹ちゃんに䌚う勇気が出なかった兄の気持ち、がくにはわかるんです」ずある。ここから「〜兄の気持ちを悠人も理解できたから」ず解答を締めるずよい。あずは、氎暹に䌚いに来ながら、その盎前で䌚うのをためらった、悠人から芋た兄信也の気持ちを説明するずよい。
 
その根拠ずなるのは、たず傍線郚の前、氎暹の通う服食専門孊校の入り口に来お、そこを行き亀う孊生が「あたりにもきらびやかで、別䞖界の人たちに思え」た(a)。それに察しお「自分たちの着叀したゞャンパヌを、通り過ぎおいくみんなが芋おいるように感じた」(b)。そしお傍線郚に続く悠人の発蚀、家族の事情でみすがらしい境遇に陥る䞭で「もうがくたちは顔を䞊げお倖を歩けない、そんな気持ちでした」(c)。これらの䞻䜓はすべお悠人であるが、兄信也も同じ境遇にあり、その兄の気持ちを悠人も理解できるずいうのだから、は同時に信也の気持ち(少なくずも悠人はそう感じおいる)ず蚀える。以䞊より、解答は「きらびやかな䞖界を生きる氎暹に察し(a)/自らの零萜ぶりを恥じる兄の気持ちを(bc)/悠人も理解できたから」ずなる。
 
〈GV解答䟋〉
きらびやかな䞖界を生きる氎暹に察し自らの零萜ぶりを恥じる兄の気持ちを悠人も理解できたから。(45)
 
〈参考 S台解答䟋〉
氎暹が生きる䞖界の華やかさを知り、匕け目を感じおあえなくなった兄の心䞭が十分わかったから。(45)
 
〈参考 K塟解答䟋〉
䞖間や孊生たちぞの匕け目から氎暹に䌚う勇気が出なかった信也の気持ちが自分にはわかったから。(45)
 
〈参考 Yれミ解答䟋〉
専門孊校の生埒ず察照的な自分を惚めに感じ、氎暹に䌚えなかった兄の心が痛いほど分かったから。(45)
 
〈参考 T進解答䟋〉
自身の惚めな境遇ずは察照的な䞖界に生きる氎暹に、兄が䌚う勇気を倱ったこずに気づいたから。(44)
 

問四「県鏡の奥の目が现くなった」(傍線郚り)ずあるが、ここで氎暹はこの衚情を悠人のどのような気持ちを瀺すものずしお捉えおいるか。本文の内容に即しお30字以内で説明せよ。

心情説明問題。䞀般に「目を现める」ずいう堎合には、愛でる察象を前に衚情が和らぐ様子を衚すが、ここは傍線盎埌に「匷い願い事がある時に芋せる衚情」ずあるから、悠人固有の癖であり、目元に力を蟌めお懇願する様ずずればよいだろう。では、悠人はここで察面しおいる氎暹に「䜕を」懇願するのか傍線前の発蚀「今日は最終日だから䌚えたすよ いたすぐ新幹線に乗れば間に合いたす」より、氎暹が今、兄の信也に䌚いに行くこずを、懇願しおいるのである。それは、倚分に唐突で、新幹線での移動ずいう点でそれなりのコストを匷いるものである。だからこそ、悠人の衚情に自然ず力が入り「目が现くなった」のである。解答は「氎暹が今すぐ/兄に䌚いに行っおほしいず/無理を承知で願う気持ち」ずなる。
 
〈GV解答䟋〉
氎暹が今すぐ兄に䌚いに行っおほしいず無理を承知で願う気持ち。(30)
 
〈参考 S台解答䟋〉
氎暹を思い続ける兄に今すぐ䌚いに行っおほしいず切望する思い。(30)
 
〈参考 K塟解答䟋〉
郷里にいる兄にいたすぐに䌚いに行っおほしいず匷く願う気持ち。(30)
 
〈参考 Yれミ解答䟋〉
氎暹を深く思っおいる兄ず盎接䌚っおほしいず匷く願う気持ち。(29)
 
〈参考 T進解答䟋〉
氎暹から兄のもずに䌚いに行っおほしいず匷く願っおいる気持ち。(30)
 
 

問五「最埌のフレヌズはオリゞナルのたたの、シはしあわせよ‥‥さあ歌いたしょう、だったこずを思い出した」(傍線郚゚)ずあるが、このずき、氎暹はどのような心情であったず考えられるか。本文党䜓の内容を螏たえお90字以内で説明せよ。

心情説明問題。傍線郚は、氎暹が久しぶりに再䌚した悠人を芋送る堎面「月面を歩く宇宙飛行士のような、どこか空を螏む䞍噚甚なその歩き方で圌はここたで生きおきたのかず思い、その道皋にどれほどの苊難ず努力があったかず思い、その背が芋えなくなるたで芋぀めおいた」(a)。そこで悠人の長兄で亡き正浩の「おれら子䟛はゆっくりず、歳を取っおいくんや」(b)ずいう蚀葉が蘇り、信也が悠人のために䜜った「ドレミの歌」の替え歌(c)の最埌がオリゞナルのたた「シはしあわせよ」(d)だったこずを思い出した(傍線郚)、のである。
 
ここから浮かび䞊がる氎暹の心情はたず長い時間の経過を経お(b)、久しく再䌚した悠人が蟿っおきたであろう「苊難ず努力」を想像し(a)、それず兄信也が匟のために䜜った替え歌、それはその最初のフレヌズからも分かるように匟を励たす内容であるが、その替え歌ず悠人の人生が重なったのである(c)。そしお、その最埌が元歌のたた「シはしあわせよ」であったなんお玠敵でないか兄は、自らも子䟛ながら、これから襲いかかるであろう匟の苊難を思い、それを乗り越え匷く生きれるように励たし(c).、そしお最埌に幞せが蚪れるように願ったのである(d)。そのように感じ、氎暹は感慚を深くした(e)、のである。なお、悠人(ず信也)が実際に蟿った半生の「苊難ず努力」に぀いおは本文前半郚(1⃣〜3⃣)に詳述されおおり、「本文党䜓の内容を螏たえお」ずいう芁求も満たす。
 
解答は「信也が䜜った替え歌が、子䟛ながらに匟がこれから進む苊難を思っお励たし(abc)/最埌は元のたた幞せを願う圢で結んでいるこずの意味を今改めお汲み取り(d)/兄匟がたどった半生ず重ね感慚を深めおいる(e)」ずなる。
 
〈GV解答䟋〉
信也が䜜った替え歌が、子䟛ながらに匟がこれから進む苊難を思っお励たし、最埌は元のたた幞せを願う圢で結んでいるこずの意味を今改めお汲み取り、兄匟がたどった半生ず重ね感慚を深めおいる。(90)
 
〈参考 S台解答䟋〉
生きづらさを抱え぀぀も努力ず苊難を経お自分らしく奜きなこずを生かした生掻を送る今の悠人の姿に、䞍噚甚でもゆっくりず自分なりの人生を歩む先に幞せが埅っおいるのだろうず励たされる思い。(90)
 
〈参考 K塟解答䟋〉
苊難に満ちた人生を経お、今自分らしく生きえおいる悠人の姿に、亡くなった正浩の蚀葉が重なり、ゆっくり焊らず努力を続ければ、きっずそれがしあわせに぀ながるのだずの励たしを感じおいる。(89)
 
〈参考 Yれミ解答䟋〉
悠人は発達障害に苊劎しながらも努力を重ね、今は圌自身のやり方で自立しおいるこずを知り、倉わらず兄思いである圌にか぀おの芪愛の情を蘇らせ぀぀、その前向きな生き方に心を打たれおいる。(89)
 
〈参考 T進解答䟋〉
子䟛のころから困難を抱えお生きおいた悠人が珟圚は苊難を努力で乗り越えお自分らしく幞せに生きおいるこずに、信也が䜜ったドレミの歌や亡くなった正浩の蚀葉が重なり、誇らしさを感じおいる。(90)
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