『金城さん!!』ふと増井先生から、
声をかけられた。
なんだろうか?
A.ドラゴン娘がやらかした
B.阪神が最近熱いの知ってますか?
C.さんぴん茶が大嫌いです
D.大城先生とデュエットします
さて、どちらでしょうか??個人的には、
Dで2人をプロデュースしたくてしょうがないが、、、
残念!!
Dではなく、
答えは、C!!
当たった人には、もれなく、
GV缶バッヂをプレゼントw
(全部の選択肢は、関係性があります)
さんぴん茶話はさておき、
本日はそんな増井先生が解説を行った、
「東大英語」を大公開致します。
門外不出の増井解説をご覧あれ!!
みなさん、こんにちは。東大英語といえば、やはり第1問の要約問題でしょう。今日は要約問題へのアプローチについて、2013年の問題を使って簡単に解説します。解いていない人はネタバレになりますので注意。
まず、要約問題の解法としてよく挙げられる重要事項について確認しましょう。
⑴筆者が最も言いたいことを捉える
⑵ディスコースマーカーに従って読む
⑶日本語力を駆使して指定字数に詰め込む
この3つはとても大切なことですが、具体性に欠けるためか、なかなかうまく実践できない人が多いように思えます。確かに漠然としているので、今日はもう少し具体的な事柄から始めていきましょう。
⑷指定字数に注目する
⑸段落の数に注目する
⑹言い換えに注目する
⑺文法にも注目する
⑷は感覚で覚えていってもいいのですが、だいたいの目安として、日本語の1文は長くても25~30字程度です。指定字数が60~80字であれば2~3文程度、80~100字であれば3~4文程度が目安となります。
⑸は「型」に関連します。基本的な要約の型としては「理由型」(AはBである。だからCはDである。)と「反論型」(AはBである。しかしCはDである。)があります。最初のうちはこのどちらかにあてはめて書いてみるといいでしょう(もちろんこの型にあてはまらない要約もあります)。もし2段落構成なら、1段落が「AはBである」に相当し、2段落が「だからorしかしCはDである」となるわけです。
⑹重要な内容が別の言葉に言い換えられて繰り返されていく、という形は現代文などでも学習するとおり、とても大切な知識です。もちろん全く同一の語句がわざと(強調のために)繰り返されている場合もあります。
⑺文法の中でも、特に筆者の主張と関連の強いものは注目したいところです。強調構文などはまさに何かを強調しますので、大事に扱いましょう。
では、具体的に2013年度を見てみましょう。まずは字数と段落数から。
指定字数は70~80語……2~3文程度でまとめる。
段落数は7……多いため、複数で一つの意味を持つ段落群を見極める必要がある。
以下、段落ごとに詳細に解説していきます。
まず第1段落最後のBut it turns out it’s not just the material’s exceptional strength that makes spiderwebs so durable.は強調構文が使われています。この構文は単に何かを強調するのではなく、not A but B「AでなくB」を表すために用いられることを知っておいてください。
例:It’s not me who broke it; it’s him! 「それを壊したのは僕じゃない、あいつだ!」
すると、クモの巣をそれほど丈夫にしているのは、単に素材の強さだけではなく、…何だ?と読めると思います。but以下が書かれていないのが気になる…後から説明されるのかな?となればもうあなたは上級者です。
そして、第2段落でHe now says a key property of the material that helps make webs strong is … に注目します。下線部が第1段落の強調構文後半that makes spiderwebs so durableの言い換えであることに気づきましたか。すると、第1段落で気になった「~だけでなく何だ?」の部分にはまずa key property of the materialが入りますが、これでは漠然としているのでその続きを読むと、is the way it can soften at first when pulled and then stiffen again as the force increases.と書かれています。be動詞のisでつないでいるのだから当然イコール関係です。a key property of the material = the way it can soften at first when pulled and then stiffen again as the force increasesということです。
ここまでを英文を使って整理すると以下のようになります。
But it turns out it’s (A)not just the material’s exceptional strength (B)but the way it can soften at first when pulled and then stiffen again as the force increases that makes spiderwebs so durable.
「クモの糸を丈夫にするのは、その素材の例外的な強さだけではなく、引っ張られたときに最初は柔らかくなることができ、それから(引っ張る)力が強くなるにつれ再び固くなることができるということだ」(84字)※かっこ内含む
この文は本文全体を概括する極めて重要な役割を持ちますが、「AでなくB」の形であることから、Aの内容はさほど重要ではなく、制限字数によっては省くべき部分になります。しかし、それ以上に下線部が具体的過ぎて字数を圧迫しているので、もう少し抽象的な言葉に言い換えられないか注意しながら読み進めていきましょう。
第3段落からはクモの巣を使った実験の話ですので、1~2段落で1つの段落群と考えてよいでしょう。さて、今読み取りたいのは、「クモの巣を丈夫にするのは○○だ」の○○の部分を簡潔に表したもの。ここには書かれていませんが、最終文They found that materials with simpler responses perform much less effectively.の下線部は注目に値します。クモの糸の素材のちょうど反対を表す性質だろうと推測しつつ、先へ行きましょう。
第4段落冒頭のDamage to spiderwebs tends to be localized, affecting just a few threads ― the place where a bug got caught and struggled around, for example.では、筆者の2つの親切心を読み取りたいですね。まず、localizedを言い換えている点。affecting just a few threadsは分詞構文で、Damage to spiderwebs tend to affect just a few threadsと同意です。localizedという単語を知らなくても読めるようになっています。そして、the place where以下では、クモの巣が被害を受ける状況の例として、虫が引っかかり、ジタバタと暴れまわる様子を想像するように促してくれています。もちろん、この部分を要約に入れる必要はありませんが、文字情報から映像を頭に浮かべることは、その文の理解に大変役立つ重要な行為です。
さて、localizedがわからなくても読解に不都合はあまりないわけですが、要約にあたっては結構大事な単語です。「(何らかの影響を全体に及ばせずに)局所化する」という訳になりますが、この言葉は、「クモの巣を丈夫にするのは○○だ」の○○にピッタリです。これを使えば、
「クモの巣を丈夫にするのは、損傷を局所化することだ」
となり、たったの26字に収まりました。しかし、もしも「局所化する」なんていう言い回しを知らなかったらどうしましょうか?
第5段落ではまだ実験の様子が描かれています。フィールドワークに出掛けたようですね。その結果分かったのは、In all cases, damage was limited to the immediate area they disturbed.「あらゆるケースで、被害は、それを受けた箇所のみに限られた」ということ。本当にこの筆者は親切ですね。localizedをlimited to the immediate areaに言い換えてくれています。これならば、「局所化する」を知らなくても、「被害は損傷を受けた場所に限られる」のようにまとめることができます。
第6段落は実験の結果を受けての推察ですので、3~5段落で1つの段落群と捉えることができるでしょう。ということは、制限字数からして6~7段落はひとかたまりなのでは、と推測することもできますね。さて、冒頭のThis suggests that there could be important advantages to materials whose responses are complex.の下線部は、クモの糸の性質を述べていると考えられます。特にcomplexは、第3段落で見たmaterials with simpler responsesのsimplerとの対比と考えてよいでしょう。これを要約に含めると、
「クモの巣を丈夫にするのは、その素材の反応が複雑で、損傷を局所化することだ」
これで38字、2文構成となりました(ここでいう「文」は英語的に言えばSVを含むカタマリのことであって、必ずしも句点で区切られているわけではありません)。
さらに続きを読むと、The principle of permitting localized damage so that an overall structure can survive … could end up guiding structural engineers.とあります。下線部は被害を局所化した結果を述べており、字数次第では要約に含めてもよいでしょう。また、structural engineersの正しい訳がわからなくても、とりあえず「構造工学を導くことになるかもしれない」と読めればOK。ちなみにlocalizedが出るのはこれで4回目。いかに筆者がlocalizedを重要視しているかがわかります。For example以下はさらなる具体例で、耐震構造の話ですが、要約には必要ないでしょう。
最終段落冒頭のThat principle might also be used in the design of networked systemsの下線部に注目しましょう。alsoがある上、助動詞の過去形のmightがある点で、第6段落のcould end up … と同じような方向性だろうと予想できます(助動詞の過去形といえば仮定法の重要知識ですね)。今度はthe design of networked systemsとあるので、「ネットワーク(システム)の設計にも利用できるかもしれない」と読めれば十分でしょう。その後は第6段落と同じく具体例のため要約には必要ありません。
上記二つの段落をまとめれば、「クモの糸の丈夫さは、工学やネットワークに応用できるかもしれない」(31字)となります。
解答をまとめましょう。
「クモの巣を丈夫にするのは、その素材の反応が複雑で、損傷を局所化することだ。クモの巣の丈夫さは、工学やネットワークに応用できるかもしれない。」(69字)
重複する部分を削り、第6段落のso that an overall structure can surviveを含めて言葉を整えてみると、
【解答例】
「クモの巣が丈夫なのは、その素材の反応が複雑で、損傷を局所化し、全体が破壊されることがないからだ。この性質は、工学やネットワークなどに応用できるかもしれない。」(78字)
以上で必要十分な答案が完成しました。要約問題としてはやや易しめですが、要約の方法論を説明する上ではとても使いやすい文章でしたね。正解に近い答案ができた人も多かったのではないでしょうか。ちなみに、本番では10分ほどで書きあげなければなりませんので、下書きなどをしている余裕はないと思います。制限字数に対する感覚を研ぎ澄まして、一発でちょうどいい字数におさまる解答が書けるよう、たくさん練習して、たくさん添削をもらうようにしてください。古い年度でも勉強になります。できれば30年分はやりましょう。
以上、英語科増井でした。
という事で、次回は2014年をお届け致します。蓄積を続けていき、これが本になるw
GV出版を乞うご期待下さいませ。