O＋ Connecting Okinawa@宮古島 part3

引き続き、私、翁長によるO＋Connecting Okinawaに関するレポートをお届けいたします。是非ともお付き合いくださいませ。

宮古島にて行われたO＋Connecting Okinawaは、完全無料の招待制イベントです。豊かな自然環境のもと、様々な分野で活躍するゲストスピーカーによるプレゼンテーションが行われました。

少し休憩をとりつつ、テント下で暑さをしのぎながら、アイスクリームが添えられたトロピカル風味のかき氷をパクパク。一足お先に、夏だわぁ。あ、洋子ちゃんだ。イベント中、ずっと忙しそうでした。

さて、今度ステージに登場したのは、陸上クラブアスリート工房代表で沖縄県マスターズ陸上競技連盟の理事も務めていらっしゃる譜久里武氏。沖縄県代表で子供達の指導もしているそうです。世界マスターズ陸上で数々の記録を残し、メダルを獲得してきたという経歴の持ち主。しかしながら、印象に残っているのは、１位になることに価値があるというよりも、１位になろうとして努力することこそ毎日を充実させる要因であるということを熱くお話しされている姿でした。夢はゴールではなく、毎日の行動の積み重ねそのものであるということ。その言葉を陸上競技に当てはめて考えてみると、１００メートルを走りきったときに見える世界がどのようなものであり、その数十秒のために過ごしてきた時間がどれだけの価値を持つのか。もしかしたら、例えば受験生も、きっと同じなのだと思いました。

そうこうしているうちに、素敵な三線の音色と歌声が聞こえてきました。沖縄民謡歌手の上間綾乃さんの登場です。県外での音楽活動も行われているため、私もお名前だけは存じ上げておりました。沖縄に移住して数ヶ月、そういえば沖縄民謡をちゃんと聴くのって初めて。沖縄に住んでいても、案外その機会って多いものではないのかもしれません。沖縄の先人達は、ただただ子供を叱るのではなく、唄によって自然に教えを説くのだそうです。たとえば、てぃんさぐぬはなはその代表。鳳仙花で爪先を染め、親の教えは心に染めなさい。親は大切にしなさい。親はいつも私を見守っている。朝も夜も心を磨きなさい。誠実に生きなさい。物事はきちんと成し遂げなさい。一人一人が補い合いなさい。本当に大切なのはお金や物ではない。栄えても謙虚でいなさい。お年寄りの教えに耳を傾けなさい。方言が分からなくても、伝わるものは伝わります。

途中、砂浜を歩いていると、現地である宮古島に住んでいらっしゃる方々ともお話する機会がありました。砂浜にパラソルを立てて、ベンチを置いて、海で犬を遊ばせて。宮古島出身の方もいらっしゃいましたが、県外から移住をしてきたという方も何人かお見かけしました。地球上のどこにいたって仕事ができる現代、たしかにここに住みたいと思う気持ちすごく分かるなぁなんて、横にいる夫と話しながら、磯遊びでびしょ濡れになった柴犬ちゃんを撫で撫で。可愛い。大自然の中でのお散歩、とっても楽しそう。

ステージでは、新里宙也氏によるプレゼンテーションが行われていました。新里氏は、沖縄に生息するサンゴの研究に取り組まれています。今回の発表は、世界で初めて、沖縄周辺海域に生息するある特定のサンゴの全ゲノムを解読することに成功したという研究結果に関するものです。サンゴが生態系にとって重要な役割を担うことは分かっていても、遺伝子レベルでの研究はほとんど行われてこなかったそう。詳しく解析を進めたところ、これまで同一だと思われていたサンゴのDNAは、沖縄本島、慶良間諸島など、生息地域により異なることが分かったそうです。つまり、それぞれのサンゴに見合う保全活動が必要になってくる。沖縄県は、生物多様性の豊かな地域です。沖縄におけるサンゴの研究は、生態学的に価値のあるものであると同時に、沖縄の経済にとっても重要な意味を持ちます。美しいサンゴ礁が育つ海は、多くの人々を沖縄へと惹きつける魅力があるからです。サンゴと沖縄の関係って密接。

ところで、本ブログでは、いくつかのスピーカーによるプレゼン内容を紹介してきましたけれど、このイベントはそれだけじゃないんですね。まず、合間の生バンドによる演奏。別に関係ないんですけど、ギターがめっちゃ技巧派でした。ピロリロピロリロ。あとは、JTAのCAさん達によるファッションショーです。女性達が身につける衣装もやはり沖縄のファッションデザイナーによるもので、琉装にも通ずるような独特の色使いと鮮やかさが感じられます。南国にふさわしい、風に棚引く涼しげなドレス。ていうかCAさん粒ぞろいって感じ。

さてさて、この時点で私、ああ今日のイベントも終わっちゃったな、あとは帰るだけかぁ、そういえばちょっと食事会みたいなのがあるって言ってたけど…とか思ってました。しかし考えが甘かったです。むしろここからが本番ですよ、と告げられたような気持ちになるまでそれほど時間はかかりませんでした。

全ての過程が終了すると、再びリムジンバスに乗って赤い瓦屋根が印象的な宮古空港へ戻ってきました。那覇行きの飛行機を待ちます。帰りの飛行機の中では、JTAのCAの方々による楽しい安全講習。あの、よく飛行機に搭乗するとまず安全のために緊急時のための説明がありますよね。あれを逆に皆さんもやってみませんかというミニコーナー。参加者を代表して実演することになったのが「リアル宮古島まもる君」さんです。皆様は彼の存在をご存知でしょうか…真っ白いお顔の彼です。「宮古島まもる君」に関しては是非ウィキペディアをご覧ください（落ち込んでる時とかに見たらなんか元気出ます）。写真に写ってらっしゃる方は、似て非なるもの、いや、非ならないものか？「リアル」宮古島まもる君さん。GVのInstagramでもフォローをさせていただいているのですが、宮古のため、沖縄のために、自ら体を張って活動していらっしゃるのです。本当に尊敬です。

那覇空港に到着します、というアナウンスと共に無事着陸。最後に本日チャーター便の操縦桿を握ってくださっていた機長さん方の挨拶もありつつ、いざ機外に出ようとするとどうにも様子が変。飛行機にタラップが横付けされていて、だだっ広い飛行場のコンクリートの上に降ろされた参加者達。テレビで目にする、各国首脳が満を持して降り立つあの感じのやつです。そりゃ写メ撮るよね。